(山スキーではないですが) 新穂高ラストスキーイング

北アルプス西穂高岳の千石尾根に架かる新穂高ロープウェイの終点西穂高口(標高2156m)から、目の前に迫る北アルプスの絶景を見ながら標高差850mを一気に滑り降りる山岳コースが魅力の新穂高ロープウェイスキー場も、昨今のスキーを取り巻く環境の変化には逆らえず、とうとう今季限りで閉鎖となってしまうことになりました。このニュースを聞き、これは何をさておいても今シーズンは新穂高ロープウェイに行かなくては、と、この1月の連休に、新穂高ラストスキーイングを楽しんできました。

新穂高ロープウェイスキー場のホームページはこちらです。

【山 域】西穂高岳千石尾根(新穂高ロープウェイスキー場)
【場 所】岐阜県北部
【日 時】2003年 1月12日(日)〜 1月13日(月)
【コース】新穂高ロープウェイスキー場の各滑降コース
【参加者】Taqさん、BAKUさん、小山伏さん、oba (4名)
【天 気】
1/12 小雪後曇り 、 1/13 快晴


全く人がいない千石平ゲレンデ

両側絶壁の難コースを滑る

このスキー場は、他のいわゆるレジャー型スキーゲレンデとは一線を画し、北アルプスの大パノラマを目の前に、日本でも1、2を争う高い難易度の未圧雪の難コースを滑り降りるという、非常にマニアックな山岳スキー場だ。それ故に、「このスキー場の魅力に取り付かれると他のスキー場は行く気がしない」という新穂高マニアが少なからず存在している。かくいう私もそのうちの1人で、ここ数年はスキーゲレンデに行くことはほとんどなくなったが、新穂高だけは毎年1〜2回は必ず訪れていた。

この素晴らしい山岳スキー場が今季限りで閉鎖とはほんとうに残念でならない。しかし、普通のゲレンデスキーヤーは、こんな、レストハウスも無い、音楽も流れていない、快適なクルージングコース等というような滑降コースは全く無い、岐阜県最奥地のこんなマニアックなスキー場には来たがらないのも無理はない。

第2ロープウェイ乗り場の前で バックはクリヤ谷の頭

朝、宿の窓から朝日に輝く錫杖岳の大岩壁が望めた

今回の新穂高ラストスキーイングは、1日目にロープウェイを使って滑るツアーコースを3本滑り、あとは千石平ゲレンデ、アルペンコースで適当に遊んで思いっきりスキーを堪能した。2日目は、もうスキーは充分堪能したので温泉にでも浸かってのんびり過ごそうと思っていたが、朝からの快晴の天気に、これは行かなければ絶対に後悔するに違いない、とスキーを持って出かけることにし、ロープウエイで上に上がり、目の前の360度の絶景を思う存分楽しみ、ツアーコース1本と、千石平ゲレンデ、アルペンコースを何本か滑って午前で終了とした。

ロープウェイ終点駅から望む西穂高岳

振り返れば焼岳、その向こうには乗鞍岳の一部も

笠ヶ岳から抜戸岳へと続く

槍ヶ岳から遙か双六岳へと続く稜線

遠く白山の銀屏風が光る

アルペンコースの目の前には錫杖岳の岩峰が望める

1日半の新穂高ラストスキーイングであったが、同行の皆さんもそれぞれ堪能されたようで、新穂高のファンがまた増えたことはほんとうに嬉しい限りだ。しかし、このスキー場も来シーズンからはスキー場としては滑ることはできなくなるわけで、このスキーコースがどのような形で残されるのか未だ不明ではあるが、ぜひ一切のスキー滑走を禁止する、ということだけにはならないよう、マニアのための山岳コースとしてぜひ存続して欲しい、と切に望まざるを得ない。

笠ヶ岳からクリヤ谷の頭

南岳、大喰岳、そして槍ヶ岳と続く

END

同行の小山伏さんの新穂高レポートはこちら