御嶽のお手軽2本立て
GW後半の連休は北アルプス方面に遠征したいところですが、関西からの同行者が無く一人で車を運転していくのはかなりつらいし、先日の白山でGW山行としてはかなり満足していたので、お手軽な御嶽方面の日帰りコース2本立てを単独で行くことにしました。
山 名 御嶽継子岳U峰(2830m) 、 御嶽剣ヶ峰(3063.4m)
場 所 長野県南西部
日 時 2007年5月3日(木)〜5月4日(金)
コース 5/3  Mスキー場から継子岳U峰、下山は継子岳本峰との鞍部から沢状斜面を滑降
5/4  御岳ロープウエイスキー場から剣ヶ峰往復
メンバー oba(単独)
天 気 5/3 晴時々曇り  、  5/4 快晴

5/3    Mスキー場から継子岳U峰
■行動時間
07:00 スキー場P    08:45 ゲレンデトップ    11:56 継子岳U峰    13:25 ゲレンデトップ    14:06 スキー場P

聞くところによると、Mスキー場からの御嶽登山は以前雪崩事故があって以来禁止されているということだ。しかし、スキー場はとっくに閉鎖されているし、ここはまあ大目に見てもらおうということで誰もいない駐車場を出発。しかしここへ到着したのがかなり遅くなったので、睡眠不足のせいか体が重く足取りも重い。

ほとんど雪のないゲレンデをしばらくスキーを担いで登り、雪が切れなくなってシール登高でゲレンデトップへ。この登りでかなりお疲れモード。駐車場からここまでで標高差600m弱もあるんだもんねえ。ここから更に700m以上の登りがあることを考えると気が重くなってくる。

ゲレンデトップからは正面の尾根の樹林帯に入り尾根を忠実に登る。日が当たらずまだ雪面がカリカリで時々シールがスリップして嫌らしいので早々にスキーアイゼンを装着。森林限界を越えて頂上へと続く真っ直ぐな尾根に乗る。空は晴れているが雲がかなり多く強風のため雪はいっこうに緩まず、標高2500m付近でシール登高は限界と判断、スキーを担ぎアイゼン、ピッケルでの登高に切り替える。

ゲレンデ下部はほとんど雪が無い

ゲレンデトップから樹林帯を登る


U峰へ続くクラストした尾根を登る

バテバテでなんとか継子岳U峰登頂


U峰頂上から見る御嶽頂上山群

継子岳本峰の右手には大斜面が広がる

今日は誰にも会うこともないだろうと思っていたら、下から単独の若いスキーヤーが登ってくるのが見えた。彼も途中でスキーを担ぎに切替えすごいスピードでどんどん近づいてきてU峰頂上の少し手前で追い越していった。彼の後を追いかなりバテバテモードでなんとか継子岳U峰登頂。

頂上で休憩しながらその単独者と少し話をする。聞けばもともと大阪の人で今は開田に移り住んで農業をしているというテレマーカーであった。今朝9時頃から登りだしたということで、私が頂上まで5時間近くもかかっているのを3時間もかからずに登っているという、その驚異的なスピードにただただビックリするばかり。

彼は本峰から滑るということでスキーを担いで稜線を本峰へ向かっていった。私はバテバテで本峰へ行く気力もなくとりあえず本峰との鞍部へ移動、そこからドロップすることにする。滑りの準備をしている時に本峰頂上直下から彼が華麗なテレマークターンで滑り降りるのが見え、あっという間に高速ターンで下へ滑り降りていった。

さてと、私もそろそろスタートするか。滑降コースは本峰とU峰との鞍部から真っ直ぐに落ちる沢状斜面。上部はかなり急傾斜なので慎重にスタート。雪はあまり緩んでいなくてバリバリクラストだがスキーの抜けも良くそれほど滑りにくくはない。高度を下げるとだんだんといい感じのザラメになってきた。しかしこれはすごい斜面だなあ。今だからいいが降雪直後はかなり危険な斜面だ。
U峰直下の急斜面を滑ったシュプール
快適な沢状斜面が続く


標高2200m付近で出合う滝

ゲレンデ下部で雪も切れスキーを外す

斜面上部ではゆっくり止まってもいられなかったので周りが樹林帯になるあたりでちょっと休憩、腹ごしらえ。沢状斜面はずっと下へ続いていてかなり下まで滑って行ける。快適に滑降を続けていくと高度2200m付近で滝があり、先行シュプールに従って滝の横を階段降りで降りて右手斜面をトラバースしていったらゲレンデトップへピッタリ出た。先行者のその絶妙のルート取りには感心するばかり。

雪を拾い拾いゲレンデ斜面を滑りなんとかスキー場を2/3程降りたところでとうとう雪が切れ、そこからはスキーを担いでトボトボと駐車場まで戻る。今日のコースは、真っ直ぐ登って真っ直ぐ降りれば簡単にゲレンデに戻れる単純明快の好ルートだが、降雪直後や雪質によってはかなり危険度の高いルートではある。

車の所で片付けをしていたら急に雨が降ってきたりと、なにやらわけがわからん空模様。山にいるときはなんとかお天気が持ってくれたし、まずまずの滑りも楽しめたし、とりあえずのところは満足満足。




5/4    御岳ロープウエイスキー場から剣ヶ峰往復
■行動時間
08:58 ゲレンデトップ    10:35 石室山荘下の台地    11:22 頂上稜線    11:48 剣ヶ峰    12:40 ゲレンデトップ


昨夜はロープウエイスキー場の駐車場で車中泊。一人宴会して早い時間から寝たので10時間ぐらい寝てしまって、今日は睡眠不足もなく結構快調。しかしゲレンデには全く雪が無い。オープンしているのは最上部ゲレンデだけとか。これでは雪を拾い拾いスキーで降りてくるのは到底無理なようなので、仕方なくロープウエイ往復券を買って出発する。

今日はお天気もいいし、剣ヶ峰を目指すスキーヤー、登山者がいっぱいだ。今まで何度も登って勝手知ったるコースだし、体調もいいので快調なペースで登る。今日は御嶽としてはほんとうに稀に見る好条件で剣ヶ峰頂上まで全てシールで登ることができた。頂上稜線はいつもたいてい氷化しているのだが今日は緩んで問題なし。時間もゲレンデトップから3時間弱と今までの最速記録。

ゲレンデには全く雪が無い!

森林限界を超えると剣ヶ峰が見える


石室山荘下の急斜面を登る先行スキーヤー

頂上稜線に出た、頂上まであと少しだ


剣ヶ峰登頂の証拠写真

あっという間に滑ってもう森林限界付近、剣ヶ峰は遙か後ろだ

下りは剣ヶ峰ピークからゲレンデトップまで全編快適ザラメで、ほとんどノンストップであっという間に森林限界あたりまで滑り降りる。ここで行動食を食べて少し休憩。見れば乗鞍岳方面も下部はかなり雪が減っているなあ。ここらあたりから見る継子岳はなかなかカッコイイ山だ。

雪が悪かったら難儀することが多い樹林帯も今日は快適快適。すんなりゲレンデトップへ出てロープウエイで駐車場へ戻り、本日の剣ヶ峰往復はあっさり終了。あまりにあっさり過ぎてコメントすることも特に無いし、いささか拍子抜けの感強し。

乗鞍岳も下部はかなり雪が少なくなっている

ここから見る継子岳はなかなかカッコイイ

たまには勝手気ままな車中泊単独行もなかなかいいもんです。しかし、御嶽あたりも標高の高いところはともかく下部の雪の少なさは著しいです。GWで山スキー終了とするのはいくらなんでも早すぎますよねえ。でも今後しつこく山スキーをしようと思えば、どこへ行くにしても雪のある所までのかなりの歩きを我慢しなければならない、ということですね。う〜ん・・・ロートルにはつらいですねえ。


END