山釣り雑感 |
■雑感というより独り言ともつかないボヤキ■ その2 (2001/08/12) 今日は暇だったので、渓流釣り関係のあちこちのサイトを見て歩いていたけど、関西のフライマン関係のサイトでは、天川のキリクチがちょっとした話題になっているようなのに驚いてしまった。その感想を一口で言えば、まぁキリクチに興味持ってくれるのはいいけど、君らが行くような所にキリクチが居るわきゃないでしょ、バッカじゃないか、である。 スワ、ちょっと朱点があるイワナだとこれはキリクチだ、ヒレが赤みがかったり全体に赤みがかったイワナだとこれはキリクチに違いない・・・・ほんと開いた口がふさがりませんわ。どうもこれはあそこの漁協の昔からの金儲け主義に乗せられているとしか言いようがないし、大阪あたりのフライ・ルアーショップ等が煽り立てて焚き付けているような節も見られる。 あのねぇ〜、10年以上前からあそこの漁協はキリクチ保護と言って一部の支流を永年禁漁区にしておきながら、その他の源流部には生態系を一切無視した外来イワナをせっせと放流し続けてきたんでっせ。それから今までの間にあのあたりのキリクチはとうに絶滅していてほとんどニッコウイワナ系イワナに置き換わってしまっているんでっせ。永年禁漁区以外で僅かばかりに残っていたキリクチを漁協自らの手で絶滅させてしまったというわけだ。ニッコウイワナ系イワナだって10年ぐらいの間には地域的変種として赤っぽい点のあるものも出てくるし、赤みがかった魚体にもなるだろう。実際他の地域のイワナで、ニッコウイワナ系イワナかヤマトイワナ系イワナかぱっと見ではほとんど区別できないイワナはいくらでもいる。放流されたニッコウイワナ系イワナの中にはヤマトイワナ系の血が混じったものもおそらく多くあったことも考えられる。あるいは、ひょっとしてほんとうのキリクチとの混交があった可能性も否定できないしね。しかし、今となっては、純粋キリクチは永年禁漁区の一部支流を除いてはほとんど絶滅というのが偽らざる事実なのだよ。 10年位前だったら、源流部の谷奥深くまで行けばひょっとしてキリクチに巡り会えた可能性もあったかもしれないけど、今やその可能性もほとんどゼロに近い、ということがわかっていない輩ばかりなのには、あきれると言うより驚いてしまった。少なくとも多くのフライマンやルアーマンがウエーダーを履いて軽装で行けるような範囲では、キリクチが生存する可能性はゼロであると言っていい。神童子谷でいえば、釜滝のもっと上流部、一の滝、二ノ滝の更に上流部付近まで行けばひょっとしてキリクチがいるかもしれないというわけだ。可能性としてはほとんどゼロに近いけれどね。しかし、そこまで行こうというのならちょっとした沢登り装備がないと行けないしね、まぁ多くのフライマンやルアーマンのような釣り雑誌からそのまま抜け出てきたような格好や装備では到底無理だろうね。 多くのフライマンやルアーマンが行くような、川迫川上流部や、神童子谷の下流部・中流部付近等はもともとアマゴ域であって、そんなところでイワナが多く釣れるということ自体がおかしいのだ。ほんとバッカじゃないか、である。あそこの漁協が生態系を無視してせっせとイワナを放流し続けたおかげで、あのあたりではいまやアマゴよりイワナの方が多く釣れるようになっているんだから、昔の川迫川や神童子谷を知ってる者からすれば、よくもまぁ立派なイワナの釣り堀を作ってくれたものですな、と皮肉のひとつでも言いたくなるというものだ。おかげでイワナを釣りたい一心のフライマン・ルアーマンがイワナを求めてワンサカ来るから漁協はホクホクだろうけど、昔の渓流魚の宝庫であった川迫川や神童子谷を知っている者は金輪際足を向けなくなった、というわけだ。 関西のフライマン、ルアーマンの諸君、まぁせっせと法外な遊漁料を払ってイワナの釣り堀に、キリクチまがいのイワナを釣りに通うのがいいでしょう。どうか間違ってもワイらがよく行くような山奥の渓にまで行ってみようなんて気を起こさないようにね。そこには君らの好きなキリクチまがいのイワナはいないけれどまだまだネイティブなアマゴがいるんだから。山には不似合いな君らのファッションで釣り場を荒らしたりしないで欲しいもんだ。まぁ、ワイらの釣りは車で行ってちょっと釣りをして、なんてのとはほど遠い釣りばっかりだから、そんなシンドイ釣りには君らは誘われても行かないだろうけどね。山のことなんかなんにも知らないでそんなところ行っても、君らのファッション優先の釣りでは怪我するのがオチだからね。 キリクチ関連サイトへのリンク 岩魚迷人 白水 殿の学術調査団 キリクチの会 News&Reports 渓魚と山里の四季 (このボヤキ、いずれ気が向いたらまた続きます。) |