弥山川・八経ヶ岳


十津川の最源流部、川迫川の最大の支流である弥山川は、途中に双門ノ大滝などの大ゴルジュを持ち、危険個所も多いため地元ではずっと通行禁止措置としていたようですが、最近登山道が整備し直され、途中の避難小屋も立て替えられたということなので4年ぶりに訪れてみました。今まで、通行禁止にもかかわらず、単独でとか、相棒のTM氏と一緒にとか、等、何度も訪れていますが、今回は夏休みで受験勉強中の高三の息子、Tをそそのかして同行させました。とにかく暑くてキツかった〜。

■00/08/16〜00/08/17

□8/16 弥山川遡行→双門ノ大滝→狼平(狼平避難小屋 泊)
□8/17 狼平→八経ヶ岳→弥山→狼平→栃尾辻→川合
□参加者 大場 、 T

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白河八丁河原
にて
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双門一ノ滝前
テラスにて
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双門ノ大滝
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双門ノ大滝滝見台
テラスにて
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目覚廊下河原
にて
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狼平避難小屋
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弥山川源流
八剣谷
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八経ヶ岳登頂

8/16
川合から御手洗渓谷へ行く道の途中の空き地に車を置き、簡単に朝食を食べ、6時半頃出発。車道を歩き、弥山川の林道に入り、白河八丁河原には着いたのはもう、8時前頃だった。

釜滝の前から左手の山道に入る。途中の桟橋等は新しく架け替えられていた。一枚岩のフェースを鎖を頼りにトラバースし、河原に降りて対岸に徒抄、大岩の横を鉄の杭を頼りにへつり、小尾根を乗っ越したら一ノ滝前のテラスについた。吊り橋を渡り対岸の台地で一服。

ここからがいよいよこのコースの核心部だ。気合いを入れて出発。二ノ滝、三ノ滝を過ぎ、垂直の梯子登りが続き、途中の右手が切れ落ちたフェースの、以前だったら岩登りをさせられた所も、新しい鎖がかけられていた。地元の人の苦労には頭が下がる思いだ。木の根をつかんで這い上がり、岩峰を越え、少し下ったら双門ノ大滝、仙人嵒の大岩壁を前方に望むテラスに11時過ぎに到着。ここで大休止、行動食を食べ腹ごしらえ。

休憩後、ザンキ平へ至る尾根を登り肩の鞍部から鎖場を下るのだが、ここも新しく鉄梯子が架けられていた。小沢をいくつか横切りながら、再度河原に下り立った。暑いのでかなりヘロヘロになっていて浴びるほど水を飲む。

ここからは河原を歩き、何度も対岸に渡り、大岩を超え、小尾根を巻き、とルートファインディングが難しい。木の枝に付けられたテープの目印を見落とさないようにして進む。途中の河原小屋は、以前はまるでゴミ捨て場になっていて周りもゴミが散乱していたが、小屋は新しい綺麗な小屋に建て替えられていて、周りも綺麗に片づけられていて素晴らしいテン場になっていた。

桶ノ谷出合で右手の本谷に入り、最後の悪場にかかる。ここのオーバーハングを乗り越す所には、新しい鎖梯子が架けられていたが、これを使わずに、水流に沿って斜瀑の横のチムニー状の岩場をよじ登る方が簡単に上に出られる。次に現れる、以前だったら頼りない針金を頼りにトラバースした悪場も、新しい鎖が架けてられていて簡単に通過できた。もう悪場は終わりだ。河原を進むと狼平手前の橋が見えてきた。狼平に15時少し過ぎに到着。今日は約9時間の行動だった。

狼平の小屋も立派なログハウスに建て替えられていた。今夜はこの小屋を貸しきりだ。今日は途中で人には誰にも会わなかった。しかし。暑いので参った。それに日頃の運動不足が応える。このコースは、道が整備されたとはいえやっぱりキツイ。時間がたっぷりあるので、コーヒーを飲んだり、ゆっくり晩飯を作ったりして過ごした。

8/17
5時起床、本当に快適な一夜が過ごせた。狼平の小屋は秋の紅葉の頃にまた訪れてみたいものだ。ここから沢どうしに進む。途中の二股は、どちらへ行こうかと迷ったが、右手の八剣谷が八経ヶ岳頂上へすぐ出られるのでそちらへ行く。最後のガレ場の手前で左手の斜面に取り付いて、最後は密集したヤブを苦労して通過して稜線の縦走路に飛び出した。縦走路を左に行きしばらくで八経ヶ岳に8時頃に登頂。晴れていれば360度の展望が素晴らしいのだが、あいにく曇り空でせっかくの展望も全く見えなかった。

登山道を弥山まで行き、弥山小屋前で少し休憩。小屋の前は3人ほど人がいただけだった。小屋では荷揚げの最中だったようで、何度もヘリが飛来して荷物を下ろしていた。

狼平まで登山道を下り荷物をまとめて小屋を10時過ぎ頃出発。川合までの道を下る。この道は下りだからいいようなものの、登りだったら本当にうんざりするような道だ。夏にこんな所を登る人の気が知れない、等とブツブツ言いながら、尾根道を黙々と下った。

朝から雷が遠くで鳴っていて、こりゃ一雨来るかもしれないな、と思いながら歩いていたが、栃尾辻を過ぎたあたりでにわかに空が暗くなり、パラパラと雨が降り出した。これくらいの雨なら大したこと無いと言いながら歩いていたら、急に大粒のバケツをひっくり返したような土砂降りになり、カッパを着る間も無くびしょ濡れになってしまった。教訓:雨模様になったらさっさとカッパを着ること。

雨はいっこうに止まず、何もかもずぶ濡れになりながらトボトボと歩いて、車の所に15時頃に戻る。

帰り道にいくつかあるキャンプ場は何処もテントでいっぱいだった。天ノ川温泉にも寄ってみたが、駐車スペースもないような混み具合だったので、風呂は諦めて帰路に就いた。


END