2001/08/10  十津川支流K川本流


我が「くろべぇ」の連中3人が今日から北アルプス雲の平方面への山行らしいが、7月の海の日前後の時と並ぶ夏のピークで人だらけだろうし、私は今日も単独で誰もいない渓で山釣りである。



久しぶりにK川E谷に入ってみようと出かけた。(oba単独)
朝5時にK川沿いの林道に止めた車の所を出発。ここからK川まではかなりの高度差を下降しなくてはならない。踏み跡を急下降、K川本流に降り立つ。すぐにE谷出合、E谷に入るが入口付近は岩が積み重なっていてほとんど水がない。

岩がゴロゴロして水量が少ないE谷
しばらく歩くと水は出てきたがサッパリ魚影が見られない。竿を出してここぞと思うポイントに毛鉤を流してみても全然反応なし。

しばらくでポツポツと18cm、15cmのアマゴが釣れたが、今日はキープサイズは20cm以上と決めていたのでリリース。しかしその後はサッパリ魚が出ない。魚が走る影すら見られない。8時半頃までE谷を登っていったが、あまりの水の少なさと魚影の薄さにいやになってK川本流の方が少しはマシかもしれないと思い方針変更。E谷を下降しK川本流に戻った。

K川本流は、河原が砂利でだいぶ埋まっていて流れも浅瀬ばかりで渓相が以前とはだいぶ変わっている。流れの中に岩がある所を狙って毛鉤を打ち込むと早速魚が跳ねた。18cmのアマゴが針に掛かったが即リリース。このあとポツポツと魚がヒットするがいずれも15〜18cmばかり。しかしE谷よりは魚影が濃いので面白いし、狭い谷でのせせこましい釣りと違って長いテンカララインが思い切り振れるのが気持ちいい。そのかわり外道のアブラハヤも多く、流れの緩いところでは必ずあのヌルヌルの魚が掛かってくる。

しばらく行くと突然巨大な砂防堰堤が出現した。なんだこりゃ〜、こんな物は以前はなかったはずなのに、と思って見ると平成12年建造と書いてある。知らない間にこんなもの作って、どうりで流れが浅瀬ばかりになっているはずだ。堰堤には一応魚道が作ってあってその入口の水たまりに毛鉤を打ち込んだら即ヒット。20cmのアマゴだ。本日初めてのキープサイズに思わず顔がほころぶ。


尾ビレがでっかい25cmのアマゴ

K川本流の流れ

枝谷が二条の滝となって出合う
堰堤を乗越して先へ進み、相変わらずの浅瀬ばかりだが、側壁が岩壁になっているブッツケの流れに毛鉤を落とすと水中でキラリと魚体が光った。即あわせるとググッとかなりの手応え。慎重に竿を立てて引き寄せると25cmの尾ビレがでっかい立派な本流アマゴだ。久々の手応えに大満足。

やっぱりこういう水の少ないときはヘタに谷に入るより本流の方が魚はいるなぁ、と納得。これなら最初から本流に入っていた方がよかったかなぁ。

しばらく行くとやっと岩が適度に配され落ち込みと瀬が連続するマシな渓相になってきた。魚は18cmクラスならけっこうヒットし、このクラスをキープに加えたら二桁以上は軽くいきそうだ。しかし今日は無駄な殺生は控えよう。結局今日は25cm1尾、20cm2尾の3尾をキープ。

時々空が暗くなり雨がポツポツと降ってきたかと思うとまた日が差すというややこしい天気。雨が降るといってもほんのお湿り程度で、とても水量が増えて魚の活性が増すというようなものでは到底ない。

上流のF谷出合まで釣り上がり、F谷に入ってしばらく登ると突然谷中にブルドーザーやクレーン車が出現。なんだなんだ、と思ってよく見るとここでも堰堤建造の真っ最中。これではF谷ももうダメだなぁ。工事現場の人に声をかけて先へ登り、工事のおかげで林道へ登る踏み跡がサッパリわからなくなっているので適当に見当を付けて右側の薮の中に突っ込む。薮と倒木の急斜面を喘ぎながら登り、途中からは両手も使って木の根をつかみながら這い上がるように登って、やっとのことで林道まで登り着いた。あとは林道をテクテクと歩いて車に15時に戻る。

今日は久々の25cmクラスの手応えには満足であったが、あちこち谷が荒れていて、また知らない間に堰堤工事が進んでいたりして、もうこのあたりでも手つかずの谷はどんどん無くなっていく現実に複雑な感慨を持った日であった。ほんとうに何とかならないものだろうかと悲しい想いになってきた。




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