奥ノ平谷左岸尾根から千石谷林道へ
昨年夏の奥ノ平谷の遡行は今も記憶に残る思い出深い沢登りでした。奥ノ平谷の遡行自体は極めて順調であったのですが、台高主稜線に出てから千石谷林道へ降りる下山ルートがわからず、結局主稜線を池木屋山方面へ縦走し宮ノ谷経由で下山ということになってしまったのです。その千石谷林道への下山ルートをなんとしても解明したいものだとそれ以来思い続けていたのですが、今回そのルートを解明すべく奥ノ平谷左岸尾根からシャッポ山、千石山、千石林道への周回コースを歩いてきました。

山 名 (台高)奥ノ平谷左岸尾根、シャッポ山(1180m)、千石山(1380.3m)
場 所 三重県西部
日 時 2006年12月10日(日)
コース 千石谷林道〜奥ノ平谷出合〜1026mP〜シャッポ山〜千石山〜笹ヶ峰手前の鞍部
〜千石谷二俣〜千石谷林道
メンバー チーム子泣き爺(Taq、oba)(2名)
天 気 曇り時々小雨

ルート図はこちら

12/10

■行動時間
07:20 奥ノ平谷出合    09:40 1026mP    10:17 シャッポ山    12:30 千石山    13:05 笹ヶ峰手前鞍部
14:15 千石谷二俣    15:40 千石谷林道駐車地

青田発電所で前夜泊し朝千石谷林道の車止めまで移動。林道から奥ノ平谷出合へ降りて奥ノ平谷の左岸沿いにある踏み跡をたどる。先週Taqさんが単独で尾根に取り付いて岩峰を超えるのにえらい苦労したという話を聞いていたので、いきなり尾根には取り付かず、谷底から50mぐらい上を谷に沿いながら岩峰の弱点を縫うように付けられた踏み跡を忠実にたどる。

奥ノ平谷左岸から対岸の金谷に懸かる長瀑を望む

尾根の上までの急斜面を喘ぎ登る

空はどんより曇った冬空で時折冷たい小雨がぱらつくという天候でどうも雰囲気が暗い中を1時間ほど歩くと、倒木で道が塞がれた所に出くわし、苦労して倒木を超えると小屋の崩壊した跡があり谷の対岸に金谷の長瀑が望める所に着く。

ここから尾根に取り付きほぼ真北に向かって急斜面を喘ぎ登ると奥ノ平谷左岸尾根上1026mPの少し西と思われる所に登り着く。ここから進路をほぼ西向きに取り、どこが頂上かわからないシャッポ山を越え、ガスで曇って視界が悪いので支尾根に迷い込まないように注意しながらいくつかのピークを越え、尾根を忠実に進むと千石山付近の台高主稜線に出た。

小雨が降りあたりはガスに包まれ視界が全く効かない中、方向感覚が完全におかしくなっていて全然見当違いの方向に進みかけてかなりウロウロする。落ち着いてコンパスで方向を見定め千石山のピークを踏み、なんとか縦走路を笹ヶ峰方面に進む。千石山は別名「奥ノ迷峰」と言われているが、視界が悪いときは本当に要注意箇所である。

奥ノ平谷左岸尾根を歩く

ガスに煙る台高主稜線を笹ヶ峰方面へ歩く

いよいよ昨年奥ノ平谷から登ってきた際ウロウロと下山ルートを探し回ったあたりにやってきた。慎重に地図と高度計、コンパスで見当を付けて笹ヶ峰への登りにさしかかる手前の鞍部の東側斜面を下る。

両側を小さな谷に挟まれた小尾根を下ると、高度1200m付近で千石谷の枝谷である喜平小屋谷右俣と思われる谷に降り立つ。谷の左岸の植林帯の中を水流を右に見ながら歩いていくとかすかな踏み跡らしき物が現れ、やがてそれははっきりとした道となってくる。これでルートは間違いないと確信し更にどんどん下るとドンピシャリ、千石谷五段の滝上の二俣に降り着くことができた。

少しの休憩の後、対岸の急斜面に付けられた道を登るとすぐに千石谷林道に出て、あとは林道歩き1時間余でやっと駐めていた車が見えてきた。

千石谷二俣に降り立つ

千石谷林道から五段の滝の一部が見えた

今回の山行に当たっては、この蓮界隈を庭のように歩き回っているりんご畑のおじさんから事前に頂いたアドバイスが大変参考になりました。おかげさまで昨年来の宿題をなんとか片付けることができました。感謝です。m(_ _)m


END