前鬼川孔雀又谷左俣
6月の始めに山スキーシーズンが終了した途端に多忙モードに突入、ほとんど山へ行けなくなっていまして、お盆のお休みはなんとか白山縦走を敢行したのですが、それ以来1ヶ月近くまたもや山から遠ざかっていました。9月敬老の日の連休はどこか沢へ行きたいなあ、って思っていたら、沢の大姉御と海外遡行同人の猛者さんに同行していただけることになりまして、大峰の名渓、前鬼川孔雀又谷のあまり記録のない左俣を谷中1泊で稜線まで抜けようという計画で行くことになりました。

山 名 (大峰)北山川水系前鬼川孔雀又谷左俣
場 所 奈良県南部
日 時 2006年9月16日(土)〜9月17日(日)
コース 9/16 前鬼林道〜前鬼川本流遡行〜孔雀又二俣手前植林小屋(幕営)
9/17 幕営地〜孔雀又谷左俣遡行〜孔雀岳南の稜線〜釈迦ヶ岳〜太古ノ辻〜前鬼
メンバー たこやきさん、だいだらぼっちさん、oba(3名)
天 気 9/16 曇り時々小雨  、  9/17 雨

9/16

■行動時間
07:00 前鬼林道車止    09:09 水垢離場    12:20 孔雀又二俣    12:50 二俣から戻った植林小屋前

折から台風接近という天気予報であったが、まあそんなに荒れることはなかろうという楽観予想の元出発。しかし前鬼川本流に降り立てば水量は半端じゃなかった。これより水垢離場を経て二俣までは、通常であれば快適に遡行できるところであるがこの水量ではかなり難儀な遡行となる。随所で荷揚げ、アンザイレンする羽目になり結構苦労。

朝早くには小雨模様であったが、歩いているうちに雨は上がり、それ以来翌朝まで雨は降らなかった。苦労したわりには結構速いペースで、お昼少し過ぎには二俣に到着。これより上にはいいテン場はなさそうなので少し戻り植林小屋前の広場で幕営。

集めた薪は濡れたものばかりでかなり苦労したがなんとか焚き火も燃え上がり、少々時間は早いが毎度毎度の焚き火宴会開始。予想された雨は夜になっても全く降らず、空には星まで輝いているほどの好天になり、いやはやたこやき天照大神の神通力には恐れ入った次第です。

水量が半端じゃなくて徒渉も難儀

二俣に聳える岩峰を望む


毎度毎度の焚き火宴会
狭いながらも快適な我が家


9/17

■行動時間
07:25 幕営地    07:35 二俣    11:30 孔雀岳南方の稜線    13:15 釈迦ヶ岳    15:40 前鬼    16:30 林道車止

朝出発する頃はまだ雨は降っていなかった。しかし左俣谷に入る頃には小雨が降りだし、やがて本降りとなる。左俣谷は3人とも未知の世界。入るとまもなく周囲に聳える岩峰群に目を奪われる。これが五百羅漢の岩峰群か?小雨に煙る岩峰群の景観はまさに山水画の世界。しかしこの素晴らしい景観もすぐにガスに覆われて見えなくなってしまった。

これ以降、ガレ場、ゴーロ帯、そそり立つ壁が交互に現れ、不安定なガレをソロリソロリと、また大岩を苦労して乗越し、壁の間を縫うように登る。しかしそれほどの悪場もなく詰めに入り、最後は笹の急斜面を登り詰めたら孔雀岳南方の稜線に出た。

稜線は、さすが台風が近づいているだけあってもの凄い風雨が吹き荒れている。風を避けて稜線から少し下ったところでお湯を沸かし一息入れる。

後は奥駈道を、両部分け、橡ノ鼻を経て釈迦ヶ岳へ登り返し、深仙ノ宿、太古ノ辻を経て前鬼までひたすら下る。せっかくの稜線歩きも台風の影響で土砂降り。周囲はガスでなんにも見えず。しかし、稜線に出てから車へ戻るまでの約5時間の歩きは実に長かった。


孔雀又谷左俣遡行開始

小雨に煙る岩峰群はまるで山水画の世界


無名の岩峰がズラリと居並ぶ

そそり立つ壁の間を縫っての遡行

不安定な岩が積み重なるルンゼを登る
もうすぐ稜線に出る


END