2002/06/15  十津川支流K川本流

各地の河川では鮎釣りも解禁されそろそろ渓も人が少なくなっているだろうと思い、久しぶりに渓魚の顔でも見に行こうと山釣りに出かけた。まずは昨年何度も通って遊ばせてもらったK川本流への今シーズン初釣行となった。

6/15
■メンバー  oba(単独)


川に架かる野猿の跡
前夜家を出て車を飛ばしK川沿いの林道に入り、更に奥へ小1時間ほどで目的地に到着。朝4時半におきて準備をして5時過ぎに出発。ここらあたりでは林道は川より遙か上を通過しており、川までは高度差200m程を下降しなければならない。そして当然のことながら帰りに車の所まで戻るのにも同じだけ登り返さ無ければならないというわけだ。駆け下りるように杣道を下りK川のE谷出合に降り立ったのは5時45分頃であった。

川に降り立ったところには野猿(昔、川を渡るのに使った人力ケーブル)の跡が残っていて、こんな山奥でもかつては人が生活していたことがしのばれる。川の水で顔を洗い久しぶりの気持ちのいい川の水の感触を味わう。ここのところ雨がほとんど降っていないようで水量はかなり少なく水は澄み切っている。

初釣果のアマゴ20cm
これは釣りにはかなり条件が悪いが、早速準備をしてまずは第一投。何投目かに、私にとって昨シーズンから9ヶ月ぶりの魚が毛鉤をくわえた。慎重に引き寄せると20cmのまずまずのサイズ。とりあえず今日がボウズでない証拠にとキープすることにした。

やはり魚の出はかなり悪く、また出ても毛鉤の手前でUターンばかり。しかし周りの緑は目にも鮮やかで川の水も澄み切っていて、この水の中を歩くのが実に気持ちがいい。毛鉤を振り込みながら歩いていくとまもなく大堰堤に到着。この堰堤前のプールでは以前はけっこう魚が出たものであるが、何度毛鉤を打ち込んでも全く反応無し。ここで朝食とすることにして、コンロを出しお湯を沸かしてスープとおにぎりを食べる。朝食後はコーヒーを入れてのんびりと休憩。


コンロでお湯を沸かし休憩
休憩後堰堤を越えて先へ進む。しばらくは砂利で埋まった平凡な流れが続く。相変わらず魚の出は悪く全く釣れない。かなり長い平凡な河原歩きが続いた後、ようやく両岸が立ってきたちょっとしたミニゴルジュ帯といった所に出合う。ここは以前は側壁をかなり高巻いた所であるが、現在は大淵も砂利で埋まっていて簡単に通過できる。このあたりでようやく足下から魚影が走るようになってきたが、なにせ水の透明度が高すぎて、魚の影もよく見えるが魚からもこちらが丸見えなようだ。物音を立てずに身を低くしてポイントに近づいていっても、竿の気配だけで魚を走らせてしまい万事休す。

3月の解禁以来釣り師に攻められ続けてスレ切った魚は、そう易々とはへっぽこテンカラ師の毛鉤をくわえてはくれない。このあたり、アプローチの悪さもあって、それほど釣り師も入らないところであるが、それでも河原には釣り師が捨てたゴミが時々目に付く。ここはやはり一度大雨が降って魚の活性が上がってそれまでの釣り師の攻めが全てリセットされて誰もこのあたりに来なくなってからでないと、私らのようなへっぽこテンカラ師には釣れそうもないな〜、となかば諦めの境地。

両岸が立ったミニゴルジュだが
淵は埋まっていて簡単に通過

段々の落ちこみが続く渓相

川の流れは適度に段々の落ち込みと淵が連続するいい感じになっているのだが、何度竿を振ってもこう釣れないと本当にいやになる。いいかげん疲れてきて景色のいい所で休憩。休憩していたら眠くなってきたので木陰で昼寝することにした。ザックを枕に河原で大の字になって寝転がる。まだそれほど虫も鬱陶しくないので気持ちよく眠れて1時間以上も寝込んでしまった。


涼しげな小滝が出合う
一眠りした後、もはや釣りはあきらめて、惰性で竿を振りながら上流のF谷出合まで歩く。F谷に入り、昨年できたばかりの堰堤を越えてしばらく登り右手の藪だらけの急斜面に取り付き、藪を掻き分け急登を続けて上の林道に出て、林道をトボトボと歩き車の所に戻ったのは15時半頃になっていた。結局本日の今シーズン初釣行は朝の20cmのアマゴ1匹に終わった。

今日は釣果の方は貧果に終わったが、久しぶりの川の水の中を歩くのは気持ちがよく、河原での昼寝も実に気持ちがよかった。しかし、テンカラでこう釣れないと注意力散漫になってきて、魚が出ても合わせるのを忘れて呆然と見ているだけになってしまい、本当に疲れた1日であった。しかし私にとっての釣りシーズンはこれからなので、まずはボウズでなかっただけでもヨシとしなければ、という思いと供に帰途についた。

END




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