雨の大峰 笠捨山、地蔵岳


大峰山脈南部の南奥駆の山、笠捨山(1352m)、地蔵岳(1250m)に行ってきました。天候があいにくの雨模様だったため、せっかく今時分が見頃の紅葉を写真に納めることもほとんどできず、雨の中をただ歩いてきただけでしたが、ほとんど人に会うこともなく、静かなしっとりとした雰囲気が楽しめました。また、行仙宿山小屋では、本当に快適な一夜が過ごさせてもらえて、こんな素晴らしい小屋を管理している「新宮山彦ぐるーぷ」に感謝の気持ちで一杯です。

2000/10/28〜10/29

□10/28  上葛川→葛川辻→笠捨山→行仙宿山小屋(行仙宿山小屋 泊)
□10/29  行仙宿山小屋→笠捨山→葛川辻→地蔵岳→香精山→貝吹金剛→上葛川
□参加者  大場 、 TM

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雨の中、笠捨山登頂
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行仙宿山小屋前
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落ち葉を踏んで
笠捨山への登り
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周りはブナ等の
自然林が広がる
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紅葉は今が盛りだが
雨のため霧に霞む
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地蔵岳のクサリ場
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 地蔵岳クサリ場
トラバース
 

10/28
上葛川の集落のはずれの道路脇に車を止めて準備をしている時から、空はどんよりと曇り、いつ雨が降ってきてもおかしくないような天候だったが、「雨の大峰も、霧に霞んだ幽玄の世界が広がっていいんじゃないの〜」と、半ばやけくそ気味に、7時30分に歩き出した。

上葛川の集落を抜け林道が終わり、山道にさしかかり葛川沿いの山道を登っていくと途中、「枝又の滝」が遠くに望めた。今日は行仙宿小屋まで行けばいいので、別に慌てることはないと、かなりゆっくりとしたペースでのんびり歩き、奥駆け道に合流する葛川辻に、11時頃に到着。

葛川辻に着く少し前頃から、小雨が降り出して、カッパの上だけを着て歩いた。葛川辻から笠捨山へ向かっての道の周りはブナ等の自然林が綺麗で、天気が良ければ紅葉がさぞ綺麗だろうが、今日は小雨の中ガスでモヤっていて、せっかくの紅葉もほとんど楽しめない。だんだん雨が強くなり、笠捨山西峰の頂上に着く頃には雨は本降りになっていた。12時少し前頃笠捨山西峰登頂。

笠捨山西峰頂上を後にして、今夜の宿、行仙宿山小屋へ向かう。笠捨山西峰頂上のすぐ下で、カッパも着ないでずぶ濡れになって登ってきた男女2人連れとすれ違った。こんな雨の中登ってくる物好きなひとが我々以外にいることにも驚いたが、カッパも着ないで大丈夫なのだろうか。

雨はだんだんひどくなる中をいくつかのアップダウンを繰り返し、13時15分、行仙宿山小屋に到着。小屋の中に入りくつろいでしまうともう外へ出る気がしない。外はもう土砂降りの雨。最初の計画ではここから行仙岳をピストンすることになっていたが、こんな雨では行ってもしょうがないと、すぐ日和るのは我々くろべぇヨレヨレ隊の得意技だ。水も水場まで汲みに行かなくても、雨水を受けていればすぐやかんが一杯になるし、お茶を湧かして座り込み、快適な小屋で、あーだこーだと話し込んでいたらすぐ時間がたち、日も暮れていった。

10/29
夜半過ぎに雨は上がったようで、朝起きたときは曇り空だった。昨夜は本当に快適な夜が過ごせた。小屋の中を綺麗に掃除して、8時に出発。

昨日歩いた道を笠捨山、葛川辻まで戻った。笠捨山西峰頂上に10時頃到着。ここで、上葛川から葛川沿いの道を登ってきた中年男性の単独登山者に出会った。聞けば我々と同じ地蔵岳に向かうとのこと。結局、この2日間で出会ったのは昨日の2人連れと今日の単独者の3人だけであった。

天候は曇り空で時折小雨が降る程度で、昨日みたいなひどい雨ではないのでカッパはほとんどいらないくらいだ。

葛川辻から地蔵岳に向かう。急斜面を木の根をつかみ、クサリ場をよじ登り、11時少し過ぎ頃に樹林に囲まれ展望の無い地蔵岳に登頂。ここからもまだクサリ場が続き適当なスリルを楽しみながら稜線を進む。このあたりも周りは自然林がいっぱいで紅葉真っ盛りであった。天気がいいときに来ていたら本当に素晴らしい紅葉が楽しめただろうに、天気が恨めしい。

途中道端で座って行動食を食べて、時折降る小雨の中を下り、香精山、貝吹野、貝吹金剛を経て、塔の谷沿いの道を下り、14時丁度に上葛川に戻った。

今回の山行はあいにくの天気で、紅葉を写真に納めることはほとんどできなかたが、もうひとつの目的であった行仙宿山小屋での一泊は本当に素晴らしく快適なものであった。こんな立派な素晴らしい山小屋を一般登山者に開放している「新宮山彦ぐるーぷ」には感謝の気持ちで一杯です。

END