和泉山脈の最高峰 南葛城山 |
金剛・和泉山系には、大和葛城山、和泉葛城山、南葛城山の3つの葛城山がある。(金剛山南尾根に中葛城山があるが、これは縦走路上の小さなこぶに過ぎないということでここでは割愛。)いずれもこの地を巡る葛城修験道ゆかりの山だが、その中で一番マイナーな南葛城山(922m)を久しぶりに訪れてみた。地味だけど一応和泉山脈の最高峰で図体のでかい南葛城山は、どこから登ってもロングコースになるが、和歌山側の高野口町九重からのルートはほとんど林道歩きに終始するので、変化に富んだコースを求めて大阪側、滝畑からの周回コースを計画した。しかしやっぱり南葛城山は侮れない。思わぬことがいろいろあって、たっぷり一日遊ばせてもらった。 ■2000/11/04 □11/04 滝畑→千石谷林道→五ツ辻→南葛城山頂上→サカモギ谷の頭 →ノゾキ平→関電道→千石谷林道→滝畑 □参加者 大場 詳細ルート図はこちら (注意!!325KBあるので重いです。) (サムネイル画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)
11/04 08:50 滝畑ダム湖畔の休憩所トイレが有る空き地に車を止めて歩き出す。ダム湖に沿った車道を歩き、レストランの裏手のトイレの横から、岩湧山登山道に入る。登山道入り口の駐車場には岩湧山へ行くと思われるハイカーが何人もいた。 岩湧山登山道を少し登りすぐに千石谷林道に入る。千石谷側、南葛城山の北面側のどこかの谷を詰めれば稜線上の縦走路に出るはずだから、その中で一番簡単そうな森ノ谷を詰めようと考えていたので、林道を黙々と歩く。昔、子供達がまだ小さかった頃はよくこのあたりにキャンプに来たことがあるし、また沢歩きに熱中していた頃は、このあたりのサカモギ谷、クレン谷とかに沢トレでよく来たこと、等を思い出しながら単調な林道を歩く。途中、千石谷大滝を見て更に上流に向かう。 10:30 森ノ谷出合、相互林業山荘の建つ三ツ合に到着。 ここから森ノ谷の踏み跡に踏み込んでいくが、しばらく行くと猛烈なヤブに覆われて前進は難渋を極めた。最初から少々のヤブこぎは覚悟していたが、これはちょっとひどすぎる。このルートは最近ほとんど人が通っていないようだ。水流通しなら簡単に行けそうだが、今日は沢歩きの足ごしらえは準備していない。これでは仕方ないので、方針を変更。このまま林道を先に行き、五ツ辻から県境稜線上の縦走路を行くことにして、千石谷林道に戻り更に上流を目指す。 以前は、森ノ谷出合で林道は終わり上流は静かな山道だったはずだが、真新しい林道がずっと上まで延びていて両側の山の木は見事に伐採されていて、千石谷源流部は見るも無惨な姿に変わっている。 そろそろ五ツ辻に着く頃だがどうもおかしいな、と思いながら歩いていたら伐採作業のチェーンソーの音が聞こえてきた。作業中の作業員に、「ここは作業道だから歩いてもらったら困る。尾根上の登山道を歩いてくれ。」と言われ、仕方なく右側の杉林の中を適当に登って尾根上に上がったら何のことはない、ダイヤモンドトレールの縦走路に飛び出した。以前の山道とは全く違う所に勝手に林道を造っておいてひどいもんだ。縦走路は岩湧山登山のハイカーがひっきりなしに歩いている。やっぱり岩湧山は人気の山だな〜。 縦走路を右に行きしばらくで五ツ辻に到着。11:40 ここから、紀見峠方向に少し戻り、南葛城山との分岐から県境稜線上の道に入る。途端に、今まで行き交っていた人が誰もいなくなる。 両側杉林の展望もない道を淡々と歩き、南葛城山頂上が近づくと笹の原が現れ、ポツンと枯れた老杉が立つ鏡の宿跡に着く。 12:50 ここも、金剛・和泉山系を巡る葛城修験道の旧宿跡のひとつなのであり、厳かな雰囲気に包まれている。ここで大休止。お湯を沸かしてフカヒレスープを作って、おにぎりを食べる。 鏡の宿跡から少し西に行くと南葛城山頂上。周りは一面の笹の原に杉が林立し、展望も何もない、和泉山脈の最高峰にしてはさえない頂上だ。しかし、一面の笹の原にまっすぐの杉の木が立つ風景は、まるでお伽噺に出てくるような風景で心が和む。 頂上で、滝畑から関電道を登ってきたという2人の登山者と少し話をして、その登山者が来た方向に向かって下山開始。13:30 一面の笹の原で道はサッパリわからないが、適当に踏み跡らしきものをたどって下っていく。すぐにサカモギ谷の頭を通過するはずであるが、それらしいところが見あたらないのでおかしいなと思いながら更に笹の原を下る。しばらくではっきりとした道に出合い、赤テープもあるのでそのまま下っていくがどうも周りの様子が見覚えのあるものとは違う。 途中、右側が開けて見通しが利くところに出て見ると、向こうに三国山のレーダードームが見えるではないか。これはおかしい、全然方角が違うぞと気が付いて、地図とコンパスで現在位置を確かめる。どうも下る尾根を間違えて、野谷ノ峰方面への道に入ってしまっているようだ。 このまま野谷を下ってもいいが、ヤブこぎ必至だし、下に降りてから車の所まで戻るのに苦労しそうなので、ここはもう一度頂上まで戻るしかないと判断。まあ、日が暮れるまでにはっきりとわかるところに出れば問題有るまい。最悪暗くなっても、一晩ぐらいのビバーグは別にどうってことないさ、と気楽に考えて、もう一度頂上へ向かって戻ることにする。 頂上から方向を確認もしないで適当に下ったのが間違いだった、等いろいろ考えながらまた登り返して、鏡の宿跡に再び到着。 15:00 ここで地図とコンパスで方向を確認し、もう一度笹の原を勘を頼りに下っていく。すぐにサカモギ谷の頭の上に出る。方角はこれで間違いない。サカモギ谷の頭からは谷間を彩る紅葉が実に見事だ。 しばらくで、はっきりとした道に出合いどんどん下る。途中関電道と書かれた標識があり、それに従って下りノゾキ平と書かれた所に着く。確か昔のノゾキ平はあたり一面切り開かれた所で展望も利いたところだったはずだが、ここは樹林の中で全く展望もないし、しばらく来ない間にすっかり様子が変わっているのに驚いた。ここから急斜面を下降し関電送電線鉄塔に到着。16:10 ここまで来ればもう安心。ポットに残っていたお茶を飲み、行動食の残りのアンパンを食べて一息入れる。ここから更に急傾斜の階段道をどんどん下り千石谷林道に降り立った。16:40 千石谷林道から朝歩いた道をそのまま戻り、ダム湖畔の車道をテクテク歩いて車の所に戻った頃には、もう日もすっかり暮れていた。 車に到着。 17:20 教訓:南葛城山のようにあまり人が登らない山では、常に地図とコンパスで現在位置の確認を怠らないこと。とくにこのあたりの山は仕事道が縦横に錯綜しているので要注意。 END |