感動の沢旅、奥ノ平谷
蓮川奥ノ平谷、それは沢の大先輩今は亡きMOGUさんが常々もう一度行きたいと言っていた谷です。それで今年のお盆の休みは絶対に奥ノ平谷に行きたいと思っていました。集まったメンバー3人、それぞれなんとか無理矢理3日間の休みをひねり出し、2泊3日という余裕を持った日程で行くことになりました。

山 域 (台高)櫛田川水系蓮川奥ノ平谷
場 所 三重県西部
日 時 2005年8月16日(火)〜8月18日(木)
コース 8/16 奥ノ平谷出合→ホラ貝の滝→鎌滝→サスケ滝下(幕営)
8/17 サスケ滝→スダレ状の滝→黒滝谷出合→35m滝上のテン場(幕営)
8/18  テン場→奥ノ平→台高稜線
下山は、台高稜線を南下、霧降山→宮ノ谷奥ノ出合→宮ノ谷出合
メンバー なっちゃん、Taqさん、oba(3名)
天 気 8/16 曇り時々小雨  、  8/17 小雨時々曇り  、  8/18 晴れ時々曇り後小雨

(デジカメが浸水で不調となったため、写真は全て、Taqさん、なっちゃん提供のものを使用させていただきました。)

8/16

前夜青田の発電所で泊まったが、夜半過ぎから雨模様。朝はどんより曇り空。入渓後まもなくで魚止め滝。残置ハーケンを利用して岩を攀じ登り、その上の釜、斜瀑が連続するゴルジュは泳ぎ、シャワークライミングで突破。

魚止め滝手前の岩を攀じ登る

斜瀑をシャワークライミング

ホラ貝の滝の前で

ドーム状岩壁に囲まれた鎌滝

ホラ貝の滝は少し戻って左岸の岩のトンネルをくぐり、その岩を上に登り滝の上流に懸垂下降で降りる。ドームに囲まれた鎌滝は左岸を巻き、次の20m滝の右岸巻きでは、壁に阻まれどんどん上に追いやられてしまい、かなり苦労してなんとかサスケ滝下へ到着。サスケ滝下の河原で幕営。

20m滝は、右岸を巻いて苦労する

サスケ滝


8/17

サスケ滝は水量が少な目なのでシャワーを浴びてびしょ濡れになりながら直登。サスケ滝上の滝は右岸を巻いて懸垂で谷床に降りる。谷が右に曲がり末広がりスダレ状20m美瀑の右岸ガレ場を巻く途中、落石発生。間一髪で避けて肝を冷やす。

シャワーを浴びながらサスケ滝を直登する

サスケ滝上の連瀑

末広がりスダレ状20m美瀑を見上げる

両岸壁が立つゴルジュの中で小雨模様のため暗くて陰険な雰囲気。本谷と黒滝谷が2条の滝となって落ちる黒滝谷出合では、周りは真っ暗でまるで地獄の底にいるようだ。奥の滝(本谷)左岸ザレ場の嫌な巻きを上がると上は連瀑帯となり、左岸リッジをザイルを付けて登る。

やっとのことでゴルジュを抜けて谷に降りる。なんとか奥ノ平谷の核心部を抜けたか?赤ー谷出合を過ぎてすぐに35m大滝が出現。左岸を巻き上がりザイルを付けての木登りを交えてのクライミング。バンドを滝に向かってトラバースしたらドンピシャで落ち口に出る。

その上の10m滝左岸を簡単に巻くと谷は途端に穏やかになり、すぐに絶好のテン場があった。幕営準備、夕食時は雨が上がっていたが、食後、湿った薪を苦労してなんとか燃え上がらせたと思ったら雷を伴った雨が降り出す。仕方なく焚き火を諦めテントの中へ避難。

黒滝谷と本谷が2条の滝となって出会う

最後の35m大滝

8/18

朝はこの谷に入って初めて晴れた。ゆっくり目に出発。穏やかな源流部を進むと周りに草原の台地が広がる。これが奥ノ平の名前の由来か?水が少なくなってきて適当に左側斜面を登って稜線の縦走路に出る。

源流部の穏やかな流れを歩く

草原の台地が広がる、まさに奥ノ平!

ここから千石谷五段の滝上部二俣への道を探して稜線上をウロウロ。それらしいものが見つからないうちに時間ばかりが過ぎていき、このままでは時間切れで今日中に下山できなくなってしまうので、鳩首会談の結果縦走路を南下して宮ノ谷経由で下山することに決定。


台高稜線縦走路を歩く
途中、霧降山から宮ノ谷奥ノ出合への近道を知っているというTaqさんの先導で霧降山北東尾根に入り、途中から急斜面を強引に下降、なんとか奥ノ出合に到着。後はひたすら宮ノ谷登山道を下降。千石谷林道宮ノ谷出合の橋に着いたときは既に日も暮れる頃であった。

奥ノ平谷、それは今は亡きMOGUさん絶賛の谷だけあってほんとうに素晴らしい谷でした。私にとってもいつまでも記憶に残りそうな素晴らしい山行、2泊3日の感動の沢旅でした。同行の皆様、ほんとうにありがとうございました。

同行のなっちゃんのレポートはこちら

END