日照岳パウーダー三昧

白山東方の日照岳(1751.3m)は、以前岳人に紹介されていたのを見て以来気になっていまして、今シーズンはぜひ行ってみようと思っていました。先週は銀杏峯を計画していたのが雨で流れ、今回計画の日照岳も予報では雪or雨になっていて、天候が危ぶまれましたが、途中敗退覚悟でとにかく出かけました。

【山 域】日照岳(1751.3m)
【場 所】岐阜県北部(白山東方)
【日 時】2003年 2月16日(日)
【コース】国道R156取付点→1160m地点→1534mピーク→日照岳頂上
     下山は往路を戻る
【参加者】りかあさん、伊能さん、Hioさん、oba (4名)
【天 気】


GPSによる行動軌跡(伊能さん提供)

2/16
■行動時間
07:40 国道脇取付き点  09:00 尾根上1160m地点   10:35 1534mピーク  11:30 日照岳頂上
12:10頂上より滑降開始、途中1534mピークで大休止、往路を戻り、14:10国道脇取付点

(写真の一部は、りかあさん提供のものを使用させていただきました。)

雪が舞う中、各チームが続々と出発

前夜発で、東海北陸道ひるがのSAで泊まったが、朝起きてみると周りは雪で真っ白になっていた。今日1日は雪が降り続く様子。雨よりはマシやと、途中敗退を覚悟でとにかく御母衣湖畔の取付点まで行く。国道脇で準備をしていると車がやってきて山スキー装備を下ろして準備を始めた。福井山岳会の人達であった。しばらくして福井ブナの木のYAMADAさんチームもやって来て、今日の日照岳は山スキーヤー総勢13名、前代未聞の大賑わいになっていた。

各チーム相前後して出発。沢状斜面から尾根をめがけての急斜面に取り付き、細かくジグザグを刻みながらの苦しいシール登高が続く。やがて傾斜も緩み尾根上1160m地点に着いた。ここから進路をほぼ真西に取り尾根上をダラダラと登る。


1534mピークで小休止

最後の急斜面にシールを利かして登る
1534mピークの手前は、疎林の急斜面で、帰りの滑りが楽しみだ。ブナの木のしゅういちさんがトップに立ちパワフルラッセルで先行する。1534mピークを過ぎて進路を南西に変え尾根を忠実に登る。ガスが濃くなり視界が悪くなってきたので、YAMADAさんが所々に赤布、赤旗を付けながら進み、後続隊が続いた。

ガスでほとんど視界が利かない中、先頭グループに続いて伊能さんとobaが日照岳登頂。頂上はすっかりガスの中で景色は何も見えなかった。続々と後続隊が登頂し、少し遅れてりかあさんも到着。誰か1人足らない。Hioさんが遅れている。そういえば登りでシールがスリップしてかなり苦労していたようだ。じっとしていたら寒いので福井チームはさっさと下山の準備をして滑り降りていった。我が隊は遅れているHioさんを待つ。やがて手にスキーを持ったHioさんがツボ足で登ってきた。これで全員登頂。

急いで下山の準備をして滑降開始。しばらく視界の利かないガスの中を慎重に進路を誤らないように下降。やがて明瞭な尾根に入るとそこにはフカフカのパウダーが待っていた。昨日の夜半過ぎから降り続いている雪は絶好のパウダー斜面になっていた。最高のパウダーを巻き上げ気持ちのよい滑降が続く。樹林帯に入ってもまばらな木の間を縫ってパウダー斜面を滑る。


ガスの中日照岳登頂

福井チームは大宴会の真っ最中
1534mピークに着くと先に降りていた福井チームが雪のテーブルを囲んで大宴会の真っ最中であった。我々も仲間に入れてもらって大休止。それにしてもこんなお天気にもかかわらず食材やコンロ等をいっぱい担ぎ上げて大宴会をしている福井チームには脱帽です。次々と出てくるお酒や食べ物のお裾分けを頂いて本当にありがとうございました。


ブナの疎林のパウダー三昧(りかあさん)

続いて私もパウダー三昧
宴会はまだ続いていたが、ペースの遅い我が隊は先に降りることにして出発。この下のブナの疎林の斜面は最高の斜面であった。しかし降雪直後の雪面は不安定で所々で小雪崩を起こしながらのスリリングな滑降でもあった。1160mの下降地点まで忠実に尾根を滑り、尾根から離れて密になった樹林の急斜面を下降。やがて傾斜も緩くなり雪もやや重くなってきたと思ったら、下の車道を通る車の音が聞こえてきて終了も間近となってきたことがわかる。傾斜の緩くなった広い斜面を飛ばすと国道脇に飛び出して本日のパウダー三昧山スキーも終了となった。


極上パウダー三昧

最後の緩斜面を飛ばす
今日は天候が悪く途中敗退もやむなし、と思いながら出発したが、福井チームのパワフルさにつられて日照岳に登頂することができ、そしてまた久しぶりの極上パウダー滑降が存分に楽しめた。こういうことがあるから山スキーは止められない。日照岳は、国道R156脇からすぐ取り付くことができるというアプローチが極めて簡単で、それほど困難もなく登ることができて、今頃であればパウダーに出会うこともできる、という関西の山スキーヤーにはお薦めの絶好の山スキーの山であった。

END