川迫川の支流、白倉谷は上流の二俣で岩本谷と枝小屋谷に別れ、右俣の岩本谷は水晶谷から険しいルンゼ状の谷となり、稲村ヶ岳西壁と大日山の間のキレットに突上げている。このバリエーションルートからの稲村ヶ岳山行を計画し意気込んで出かけたが、あいにくの天候のため予定を変更、一般道から稲村ヶ岳へ登り、稲村ヶ岳小屋泊、翌日は先日の観音峰コースの逆行コースをたどっての1泊2日の山行となった。
■コース概要
■2001/11/10
観音峰登山口→ミタライ渓谷→白倉谷林道→岩本谷→白倉谷林道→観音峰登山口
→洞川→稲村ヶ岳登山口→法力峠→山上辻(稲村小屋 泊)
■2001/11/11
山上辻→稲村ヶ岳→大日山→山上辻→法力峠→観音峰→観音平→観音峰登山口
■参加者
TM 、 oba (2名)
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(サムネイル画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)
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11/10
■行動時間
06:50 観音峰登山口 08:50 岩本谷の取付き 10:00 観音峰登山口に戻る
10:30 観音峰登山口発 11:50 稲村ヶ岳登山口 13:00 法力峠 14:30 稲村小屋
前夜のうちに観音峰登山口駐車場に着いて朝まで車中で寝ていたが、夜中に時々強い雨が降っていたようで、朝起きたときもどんより曇り細かい雨が降っていた。天候が快方に向うことを願って出発。紅葉真っ盛りのミタライ渓谷、白倉谷林道を歩いていくうちに段々雨足が強くなってきて山は白いガスに覆われており、憂鬱な気持でとりあえず岩本谷に降り立ったが、陰気で暗い谷がガスと雨で一層陰鬱な雰囲気になっており、今の時期にこの雨に濡れての沢歩きはちょっと・・・・、というわけで今回の計画ルートはここで中止。予定を変更し、洞川からの一般道で稲村ヶ岳へ登ることにする。
また林道、遊歩道を歩いて観音峰登山口に戻り、ザイル、ガチャ類のいらないものを置いてあらためて出発。洞川まで車道、遊歩道を歩き、旅館街を抜けて稲村ヶ岳登山口から山道に入り、何も見えないガスの中、法力峠を経て稲村小屋に到着。今日は最初から小屋に泊るつもりで予約してあったので小屋の中に入ると小屋主の赤井氏が迎えてくれた。
宿泊客は、2歳ぐらいの男の子を背負子で担いで登ってきていた若夫婦と我々の4人だけ。小屋の中は薪ストーブが焚かれぬくぬくで快適、快適。暖かい小屋でくつろいでしまうともうなにもする気がしない。ストーブを囲んでお茶を飲んだりたわいもない話をしたりしながらの、普段では味わうことのできない静かで贅沢な時間が過ぎていった。
夕食は小屋主の赤井氏も交えて石狩鍋を囲み、酒を飲みながらの談笑。興味深い赤井氏の山の話を聞きながらの暖かい夕食は時間が過ぎるのを忘れるほどの満足感に満ちたものであった。満腹になってランプの灯の下でストーブを囲んでのしばしの談笑の後、ぬくぬく布団で快適、快眠。ああ極楽極楽。夏の北アルプスの混雑した山小屋などまっぴらごめんだけど、こんな山小屋なら何度でも来たいな〜、等と思いに耽っているうちに眠りに就いていった。
11/11
■行動時間
08:00 稲村小屋 08:35 稲村ヶ岳頂上 09:30 稲村小屋に戻る
10:10 稲村小屋発 11:05 法力峠 12:25 観音峰 (大休止)
13:30 観音平展望台 14:40 観音峰駐車場
朝の大日山が前方に
見える |
大日のキレット、
ここに登り着く
はずであったが |
稲村ヶ岳西壁の
岩壁 |
朝6時頃起床。今日は雲ひとつない快晴。小屋の外で大普賢岳からの御来光を見てから朝食。その後荷物を小屋に置いて稲村ヶ岳頂上を往復。小屋に戻って荷物を背負い、快晴の気持の良い空の下を法力峠まで戻り、そこから先日の観音峰コースの逆行コースで観音平展望台を経て観音峰登山口に戻った。
稲村小屋前にて |
今日はお天気がいいので、稲村ヶ岳へ登ってくる人もかなり多く何人もの登山者とすれ違ったが、法力峠から観音峰の間はほとんど人に会うこともなく、すれ違った登山者は一人だけであった。
木の枝越しに見える
大日山の岩峰 |
観音峰を過ぎると途端に人が多くなり、観音平展望台は大勢のハイカーで大賑わいであった。展望台からは、稲村ヶ岳西壁、大日山の岩峰がすごい迫力で望まれ、白倉谷から大日のキレットまでのルートをはっきりと見ることができた。
観音峰の落葉の
絨毯を歩く |
展望台から見る
大日のキレットへの
ルートの全貌 |
観音平付近の紅葉 |
今回の大日のキレットへの計画ルートは、ちょっと時期的に遅すぎたようだ。来年もう少し早い時期にまた再挑戦してみたい。今回は計画通りにはいかなかったが、久しぶりに訪れた稲村小屋の温かいもてなしには感激、稲村小屋3代目赤井氏の自然に対する深い敬愛に満ちた興味深い山の話等にも大満足の山行であった。
END
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