稲村ヶ岳・弥山の好展望台、観音峰

長年山歩きに愛用してきたハンワグの革製のトレッキングシューズの革がすっかり痛んでしまい、またソールもすり減ってツルツル状態になっているので、先日の弥山川山行で引退願うことにして、新たにシリオの610GTXを購入。新しい靴の履き慣らしにどこかに歩きに行こうと考えて、大峰、山上ヶ岳・稲村ヶ岳の前衛峰、観音峰(1347m)に日帰りで行くことにした。連休で好天に恵まれて有名山域はどこも人だらけになりそうだが、ここは大峰のメインルートからは外れているので静かな山が楽しめるだろうとの目論見で出かけた。


■コース概要
□2001/10/06
洞川→観音峰登山口→観音平→観音峰→法力峠→洞川


ルート概要図はこちら

■参加者
・oba(単独)


■行動時間
07:00 洞川温泉  07:35 観音峰登山口  08:33 観音平  09:00 展望台  10:10 観音峰頂上
10:50 三ツ塚  12:10 法力峠  13:10 稲村ヶ岳登山口  13:30 洞川温泉


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真新しい第一展望台
早朝洞川温泉センターの駐車場に車を止め朝食、準備をして出発。車道を歩いて30分程で観音峰登山口に着く。指導標に従い登山道に入り、途中の小沢で水を補給し、ミタライ渓谷への分岐を見送り左の斜面を巻くように付けられた道を登る。このあたり、南朝ロマンの地を巡るという謳い文句の遊歩道が最近整備されたそうで、まもなく真新しい第一展望台に到着。展望台からは朝日を浴びた弥山の堂々とした姿が眺められた。

人工林と自然林が交互に現れる樹林の中の道を登っていくと、これも真新しい休憩所にトイレまである観音平に到着。ここからは急斜面に付けられたつづら折れの道を登って行く。
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観音の岩屋
途中、観音の岩屋と書かれた分れ道があるので岩屋を見に行く。これも南朝ゆかりの洞穴だそうで、なんでも南朝の何とか親王がお隠れになった岩屋だそうな。南朝ロマンのファンのためにこんな遊歩道を整備しても、大峰のメインルートからは外れているここらあたりに来るような歴史ファンはそういないのでは、といらぬ心配もしたくなる。このあたり、ブナの木に囲まれたいい雰囲気の所も多くあるけど、この丸太の階段が続くのはどうにかならんかね〜。いつも思うけど登山道整備とかで丸太の階段を作るのは、はっきり言ってありがた迷惑だと思うのは私だけだろうか。丸太の階段なんて歩きにくいだけなんだけどな〜。

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新しい石碑のある
展望台
けっこうな傾斜の斜面を登っていくと急にあたりが開けたススキの原に出て、右側に山上ヶ岳、稲村ヶ岳から弥山、頂仙岳へと続く大パノラマが展開する展望台に出た。ここにも観音峰展望台と書かれた新しい石碑と石積みの展望台ができていた。ここまで来るのに新しい靴でちょっと踵のあたりが靴擦れ気味なので、腰を下ろして靴を脱いで踵にテーピングを施すことにする。踵の処置をして行動食を食べてゆっくりと休憩し、周りに展開する素晴しいパノラマを存分に楽しむ。ちょっとモヤがかかっているのが惜しいが、こんな景観はちょっと他では見られないぞ。

大日山、稲村ヶ岳を
望む

バリゴヤの頭の
岩峰

弥山、頂仙岳を
望む
大日山から稲村ヶ岳南壁、バリゴヤの頭に続く岩峰はかなりの迫力だ。堂々とした弥山のどでかい山体に深く刻まれた弥山川の中程には、うっすらと双門の連瀑帯の白い筋まで見える。この景色を見に来るだけでもこのコースは値打ちがあるな〜、と一人納得。

存分に大パノラマを楽しんだ後、前方に見える観音峰頂上を目指す。遊歩道として整備されているのはどうやらこの展望台までのようで、この先は怪しげな踏み跡に赤テープの目印を頼りに進むことになる。
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潤い豊かな
ブナの森
ススキをかき分けて進みやがて雑木林になった斜面を登り、ピークをひとつ越えて一旦下り、ブナの森の斜面を登り詰めて観音峰頂上に着く。ここは三角点はあるが樹林に囲まれた展望も無いひっそりとした頂上だ。
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ひっそりとした
観音峰頂上
写真だけ撮ってさっさと先へ進む。この先、法力峠まで、ガイドブック等には踏み跡程度でコース不明瞭、とか書かれているけど、けっこう明瞭な踏み跡が続いているし、赤テープの目印がしつこいくらいあるので、まぁよっぽどのことがない限り迷うことなどなさそうな道である。

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途中のピークの
ひとつ、三ツ塚
途中いくつかピークを越えアップダウンを繰返すがほとんど樹林の中で展望は利かない。五番目のピークの頂上あたりで、右側の木の葉越しに稲村ヶ岳の岩峰が眺められる所があり、その少し先の平らな所で大休止とする。コンロを出してお茶を沸かしてゆっくりと腹ごしらえ。このペースだとかなり早い時間に法力峠に降りてしまうので、のんびりとけっこう長い時間休憩した。

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木の葉越しに稲村ヶ岳の
岩峰が見える
休憩の後、もうひとつピークを越え、途中ちょっとした岩場のある急斜面を下降すると法力峠に着いた。今日はここまで誰にも会わなかったが、法力峠はさすが大峰の要所だ、すぐに人が登ってきて、道標を見ながら稲村ヶ岳の方に登って行った。ここからは大峰のメインストリートを淡々と下降。途中何人もの登山者とすれ違いながら、母公堂への道を見送り、五代松鍾乳洞を経て、旧稲村ヶ岳登山口に降り、車道を歩いて洞川の旅館街を抜けて温泉センターの駐車場に着く。まだ時間がかなり早いので温泉で一風呂いただいて帰ることにする。温泉はまだ時間も早いので空いていて快適快適。その後お風呂から出たら眠くなってきたので、駐車場の車の中で一眠りして帰途についた。

観音峰は大峰のメインコースからはちょっと外れている不遇の山だが、展望台から眺められる大パノラマは、あれを見に行くだけでも値打ちのある所だ。ほとんど人にも会わず静かな靴慣らしの山歩きが楽しめて満足の山行であった。

END