毎度おなじみ弥山川詣で

飽きもせずまた今年も弥山川詣でです。弥山川はやはり新緑や紅葉の時期がベストと思われるが、わざわざこのクソ暑い時期に行って、ほとんど自虐的な修行僧的気分を味わうのも悪くはないです。今回はダラオフ仲間のこてっちゃんが同行してくれました。こてっちゃんはこの夏初めての北アルプス・後立山をテン泊縦走して意気盛ん。台風13号が接近中でお天気が心配でしたが、とりあえず台風の直接の影響はなかろうという目論見で出発しました。

【山域】 (大峰)弥山川から弥山
【場所】 奈良県南部
【日時】 2002年 8月17日(土)〜8月18日(日)
【コース】 熊渡→弥山川→河原小屋→狼平(泊)→弥山小屋→行者還トンネル西口
【メンバー】 こてっちゃん、oba (2名)
【天気】 8/17 晴  、  8/18 雨

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8/17
■行動時間
07:00 熊渡  09:05 一ノ滝前  10:40 双門の滝前の滝見平  13:20 河原小屋  15:00 狼平
(避難小屋泊)

未明に家を出て黒滝道の駅でこてっちゃんと合流。今回は、下山ルートに沢雪山歩のメンバーが6月に弥山川から八経ヶ岳へ行ったときの下山ルートを使う予定であった。しかし台風13号が接近中で18日は天候悪化が予想されるので、悪天候の場合は行者還トンネル西口にノーマルルートで下山とすることとして、念のためこてっちゃんの車をトンネル西口までデポしに行く。その後obaの車で弥山川出合の熊渡へ移動。最初の予定では狼平上流の河原でテント泊のつもりであったが、悪天候の可能性が高かったのでテント泊は止めて狼平避難小屋泊とする。準備をして出発。

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岩壁をヘツる
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一ノ滝、二ノ滝
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一ノ滝前の吊り橋を
渡る
林道をしばらく歩き白河八丁を経てガマ滝から登山道に入り、再び河原に降りて前進。川の水量はかなり少ない。右手岩壁基部をヘツる箇所では、水量が多い時はスリップすればドボンとなるので、靴を濡らさずに行こうとすると結構苦労する所であるが、全然水が無くていとも簡単に通過。小尾根を乗り越えて一ノ滝前のテラスに着く。吊り橋を渡り対岸の台地で小休止。

休憩後、三ノ滝を見に行ってからいよいよ弥山川ルートの核心部に突入。ここからは次から次と続く梯子登りの連続。すっぱりと切れ落ちた足元はるか下には白河八丁の白い河原が見えている。
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梯子登りの途中
稲村ヶ岳がよく見えた
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双門ノ滝
こてっちゃんは慎重に歩を進めているのか若干遅れ気味。きわどいトラーバースやちょっとした岩登りをこなして岩峰を乗り越えて、少し下れば双門ノ滝を見下ろす滝見平に到着。今日の双門ノ滝は水量が少なくいささか迫力不足。このあたりで狼平までの行程の中間点。ここで大休止とする。

休憩の後もまだまだ登りが続き、ザンキ平へと続く尾根の途中から急降下の開始。所々鎖にぶら下がりながら急降下しばらくで再び河床に降り立った。最初の大淵の巻き道を巻き終えるとやがて河原小屋に到着。ここからはほぼ弥山川の流れに沿って進む。何度も飛び石伝いに対岸に渡り、大岩を乗り越えて前進。
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河原小屋前にて
水量が少ないので対岸への徒渉も簡単だ。暑さと喉の渇きで何度も川の水を顔に浴び喉を潤す。若くて元気なこてっちゃんもかなりへばり気味。だいぶペースが落ちてきたようで、後続のこてっちゃんの姿が見えなくなってしばし待つことが多くなってくる。

左手に桶ノ谷を分け右手の本谷に入りしばらくで聖門ノ滝のゴルジュにさしかかる。ここは右手のオーバーハング岩に掛けられた鉄鎖梯子を登るのが普通のルートであるが、この鎖梯子を登るのは重荷を担いでいるときは結構苦労する。ここは水流に沿ったチムニー状岩を這いずり上がる方が簡単に上に抜けられるので、私はいつもそうしている。今回もチムニー状岩を這い上がるルートを選択。こてっちゃんも難なく岩を這い上がりクリア。その後に続く鎖を伝っての蟹の横ばいトラバースを通過、これで悪場は終わりだ。

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オーバーハング岩に
掛かる鉄鎖梯子
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チムニー状岩を
這いずり上がる
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鎖を伝って蟹の横ばい
トラバース
最後の悪場を越えて穏やかになった流れを飛び石伝いに進むと狼平手前の橋が見えてきて狼平に到着。いつもたいてい誰かが休憩しているが今日は誰もいない。避難小屋の中にも誰もいなかった。荷物を下ろしてまだ時間も早いのでコーヒーを沸かしたりしてボーッとして過ごす。しばらくしたら6人連れの登山者が到着。聞けば我々の後を弥山川ルートから登ってきたそうだ。今夜はこの8人が小屋の宿泊者。我々は2階のスペースを2人で占領。実に快適快適。ビール付きの晩飯の後ウィスキーをチビチビ飲みながら色々と話をしているうちに夜も更けて眠くなってきたので8時頃に就寝。眠りだした頃外では小雨が降りだしたようだった。



8/18
■行動時間
08:00 狼平  08:55 弥山小屋  11:30 行者還トンネル西口

朝起きて外を見ると濃いガスに小雨模様。時折突風のような強風も吹いている。これではダメだ。八経ヶ岳までのダイレクトルートは割愛。下山は行者還トンネル西口へのノーマルルートとすることにあっさり決定。そうと決まれば別にあわてて出ることはない。ゆっくりと朝食を済ませ、コーヒーを沸かしたりしてのんびりと過ごす。

カッパを着て狼平を出る頃には雨は本降り。雨とガスと強風の中ノーマルルートで弥山小屋、聖宝宿、弁天の森を経て行者還トンネル西口に下山。途中こんな天気の中を登ってくる登山者に何人も出会った。やっぱりこのトンネル西口から弥山・八経ヶ岳へのコースは人気コースやな〜。皆さん、悪天候の中ごくろうさん。相変わらず雨は降っているし、トンネル西口にこてっちゃんの車をデポしておいてよかった。

下山後一風呂浴びたかったので洞川温泉へ行ったがすごい車の行列で諦めて、帰路の途中の下市温泉明水館でやっとお風呂に入れた。ここの食堂で軽く腹を満たしてしばらくの歓談の後解散。

こてっちゃん、このクソ暑い時期にお付き合い下さりありがとうございました。私の今年の弥山川詣でも無事終えることができました。今度は紅葉の季節にでもぜひ狼平からの八経ヶ岳ダイレクトルートも繋いでの弥山川遡行にチャレンジして下さいませ。

END

こてっちゃんの弥山川レポートはこちらです。