晩秋の上多古阿古滝道
2週続けて休日が野暮用でつぶれて山へ行けなくて気が滅入っていたところ、Taqさんが、大峰上多古本谷沿いの地図上の点線道を歩きに行こう、というので同行してきましたが、これがなかなか面白くて1日充分遊べました。

山 域 (大峰)阿古滝道(上多古本谷右岸尾根1/25000地形図上の点線道)
場 所 奈良県南部
日 時 2004年11月14日(日)
コース 上多古林道→茶屋ノ谷出合→上多古本谷右岸尾根→阿古滝手前の枝谷
下山は往路を戻り、尾根から矢納谷出合へ降りる
メンバー Taqさん、oba(2名)
天 気 晴時々曇り


11/14

上多古川林道は台風の影響かかなり荒れ気味。林道終点手前で車を置き歩きだす。7時30分。対岸の勝負塚山付近の紅葉が真っ盛り。


勝負塚山付近は紅葉真っ盛り
矢納谷出合からはっきりした道が上多古本谷を右に見て付いていてそれをたどり、やがて茶屋ノ谷出合に到着。8時。見れば出合の広場に沢登り装備の3人連れ。前日から「チーム砂かけ婆」(たこやき&なつコンビ)+Wの会某氏の3人組が上多古本谷に入っているのは知っていたが、まだこんなところにいるとは思わなかった。
「まだこんなところにおったの?」
「ちょっと寝坊してしまって、アハハハ・・・」だって。

3人と別れて谷沿いある踏み跡をたどるが途中で斜面が崩れていて踏み跡は消えていた。地図上の道はここから尾根に取り付いているので適当に上へ登って行くが、どんどん傾斜は増していきやがて岩尾根に出てしまい、上を見るとちょっとザイルなしには登る気がしない壁にぶち当たってしまった。

これはダメだと一旦戻りひとつ手前の支尾根が傾斜が緩そうなのでそれに取り付く。しかし傾斜が緩そうに見えたのは下部だけで、どんどん傾斜が増していき、とうとうザイル無しでの崖登りをする羽目に。崖は岩壁の上に泥と苔が張り付いているというイヤらしいもので、腐った立木をつかんでかろうじて立っていた泥苔がベロッと岩から剥がれて、危うく転落しそうになったりと肝を冷やすこと数回。下を見下ろしたら、こりゃ落ちたらただごとでは済まんわなあ〜、こんなのオモシロ過ぎるやんかあ〜・・・・、とかなんとか言いながらとにかく上へ上へと這い上がる。


尾根に出て怪しげな踏み跡をたどる
なんとか崖を這い上がり尾根上に出たらもう10時になっていた。尾根上の怪しげな踏み跡をたどっていくとテープの目印がいくつか出てきて、やがてはっきりとした道になってくる。やっと阿古滝道へ出たようだ。歩いていると右側の木々の間から山上ヶ岳らしきピークが望めて、それに突き上げている竹林院谷の大滝(六字滝)が見える。

道は、山の鼻をいくつか巻きながらトラバース気味に続いており、阿古滝の少し手前あたりと思われる谷の源頭がとても雰囲気のいい所だったのでここで大休止。腹ごしらえなどして時間もお昼を回っていたのでここで引き返すことにする。

下山は概ね往路をたどったが、登りで登った崖付近は左手の壁を避けて尾根をたどっていったがやはりどこを行っても壁ばかりで、ザイル無しではちょっと降りる気がしない。地図を見ながら思案して、地図上927mピークのある尾根まで登り返すことにして急斜面を登って行ったら、仕事道と思われる明瞭な道が出てきてそれをたどっていったら矢納谷出合へあっさり降りることができた。15時。

木々の間から山上ヶ岳のピークを望む

静寂に包まれた晩秋の大峰を味わう

中庄温泉で汗を流して帰路途中立ち寄った某中華料理屋で、「チーム砂かけ婆」+Wの会某氏の3人組とまたまた遭遇。上多古谷本谷は時間切れで阿古滝谷へエスケープし我々と同じ道を下山してきたとのこと。やっぱり茶屋ノ谷出合へ降りる道というのはもう無くなってるのかなあ・・・・

しかし、ほとんど人に会うこともない静かな晩秋の大峰の雰囲気はなかなかええもんです。今日歩いた道は、上多古方面の沢を登った際の下山路として使えるので、来シーズンには上多古本谷をぜひ山上ヶ岳まで登り詰めてみたいものだ。

END