5/5  黒部五郎から黒部源流を経て弥助沢・モミ沢出合まで


行動時間
06:30 太郎平小屋発    08:05 北ノ俣岳    10:20 黒部五郎の肩
10:50 黒部五郎カール滑降スタート    11:25 黒部源流・五郎沢出合
14:45 三俣山荘    15:15 弥助沢滑降スタート    15:40 モミ沢出合


天気は今日も快晴。今日は10時間近くの行動が予想されるキツイ1日だ。気合いを入れて太郎平小屋を出発。スキーを担いだり引っ張ったりして太郎山を一登りした後、直滑降で北ノ俣岳との鞍部へ。シールを装着して北ノ俣岳の斜面を登る。

北ノ俣岳から稜線を右に見て黒部側の大斜面を中俣乗越めがけての大トラバース。延々続く左谷脚の斜滑降で太股がパンパンになってしまう。更に2578mピークを回り込むようにトラバースして黒部五郎の急斜面の登りに取り付く。ここではあっさりスキーをザックに取り付けて担ぎ直登する。急斜面を喘ぎながら登り切ると黒部五郎の肩に着く。黒部五郎岳東面には巨大な雪屁が張り出していて、カールの上部は至る所デブリだらけだ。ここで行動食を食べたりして一息入れる。

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スキーを引っ張りながら
太郎山を登る
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背後には薬師岳の
勇姿が
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黒部五郎の急斜面を
喘ぎながら登る
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黒部五郎の肩にて
少しの休憩の後いよいよ黒部五郎カールの大滑降だ。雪屁の隙間から斜度40度を遙かに超えるカール上部に飛び込む。数日前に降った雪がグサグサに腐った状態の悪雪、おまけに至る所デブリだらけで、デブリのブロックにスキーが突き刺さりそうになり滑るのも難儀だ。少し滑るとすぐに斜度は緩くなり適度な傾斜の大斜面になる。雪がいい状態だったらどんなに素晴らしいことだろう。

どんどん高度を下げ五郎沢へと入り、更にどんどん滑り黒部源流に出会うところでスキーを外し大休止とする。ここで釣り竿を出して少しだけ釣りをする。イワナ釣りでも大ベテランのIさんはバッチリ4匹キープ。

休憩の後、シールを着けて黒部源流のほぼ右岸沿いにスキーを進める。谷の中はほとんど風もなく暑くてたまらない。三俣分岐から更に右岸沿いにしばらく登り続け、スノーブリッジを対岸に渡り三俣山荘への急斜面に取り付く。この斜面はスキーで歩くたびにボコッと斜面全体が沈むような感触で雪崩が出そうで実に気持ちが悪い。慎重に斜面を登り続けると三俣山荘が見えてくる。稜線に出ると槍ヶ岳の勇姿が我々を出迎えてくれる。

弥助沢の降り口でシールを外し滑降の準備をする。弥助沢も上部は急傾斜だが、先ほどの黒部五郎カールに比べればずいぶんと斜度は緩く感じる。本日最後の大滑降だ。だいぶ足が疲れているので小さくピッチを切りながら滑る。雪はここでもグサグサの腐り雪。しかし悪雪でもやっぱりスキーは素晴らしい。どんどん滑り降りモミ沢との出合に到着。樹林に囲まれた平坦地を今晩のテン場とする。スコップで整地し木の枝を敷き詰めてテントを設営。4人用テントに5人が寝ることになるし、荷物軽量化のためシュラフ無しでシュラフカバーだけだけど、まぁ何とかなるだろう。

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黒部五郎カールの
滑降-1
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黒部五郎カールの
滑降-2
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ボードで黒部五郎カールに
飛び込むNIさん
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黒部源流の大斜面を
ボードで滑るNIさん
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三俣山荘では槍ヶ岳の
勇姿が出迎え
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弥助沢の滑降-1
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弥助沢の滑降-2
今日は9時間余の行動であった。雪質はもうひとつであったが、黒部五郎カールから五郎沢、弥助沢の二つの大斜面を滑り降り、三俣蓮華岳、鷲羽岳に囲まれた北アルプス最奥の地までやってきたことに大満足。昼間のイワナをIさんが刺身にしてくれて、それを肴に酒を飲みいい気持ちで眠りにつくことができた。



【5/6  双六小屋から大ノマ乗越を経て新穂高へ】  に続く