滋賀県の最高峰、伊吹山(1377m)は標高はそれほどでもないが豪雪の山として知られ、関西の岳人には、冬山へ向けての雪訓の山、また関西の山スキーヤーには近場で滑りが楽しめる山としておなじみである。九合目からの正面ルンゼは条件がよければ40度を超える急斜面の豪快な滑降が期待できるが、また雪崩事故もたびたび起こっているところでもある。
今冬はまだ積雪が少ないが(スキー場の積雪80cm)、山スキーシーズン始めのトレーニングとして、山スキーの感覚を取り戻すことを目的に出かけてみた。
■2001/01/28 伊吹山三合目から山スキーで八合目付近まで往復
■参加者
oba (TRAB PUMA DRIVE + FRITSCHI DIAMIR + NORDICA TR9)
TM (TUASKI EXCALIBUR + FRITSCHI DIAMIR + NORDICA TR9)
(サムネイル画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)
ガスで視界が悪くボケボケ写真ですみません。
シールを着けて
登高開始 |
ガスの中で
一息入れる |
樹氷の卵ができている |
ほとんどホワイトアウト
の状態 |
周りはほとんど
白だけの世界 |
六合目小屋で一服 |
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01/28
昨晩、伊吹山スキー場へ向かう途中にもみぞれ混じりの雨が時々降ったりのややこしい天気。スキー場の駐車場で仮眠したが、朝までに何度も雨が降ったり止んだりしていた。
7時頃に起床し外を見ると山はガスの中で何も見えない。準備をして車の所を8時半頃出発。ゴンドラに乗り三合目ゲレンデへ。三合目ゲレンデはすっかりガスの中で、視界30〜40m程で何も見えない。伊吹高原ホテルの前からスキーで少し下りシールを着けてゲレンデの端を登高開始、9時。
20分ほどでゲレンデ最上部の五合目に出て、ここからは夏の登山道の標識に従って斜面を登る。六合目の小屋からは斜面の傾斜が強くなり、先行者のツボ足のトレースに沿って登る。スキーのトレースもあり何人もの先行者がいるようだ。周りはますますガスが濃くなりほとんどホワイトアウト状態。時々視界が少し良くなるときもあるがすぐにまた元の真っ白の世界に戻ってしまう。
新しく新調したスキーにワイドシールの登高能力はかなりのもので、急斜面でも全くスリップせず快調に登高を続ける。正面ルンゼの右側斜面と思われるところを、ひたすらジグザグ登高を続ける。斜面の傾斜は30度を超え、そろそろ八合目あたりと思われるところで先行者のスキーがデポしてあった。
ここから九合目までは傾斜は更に強くなり、完全にアイゼン、ピッケルの世界になる。先行者はここにスキーをデポして頂上を目指したようだ。我々は何度も頂上に行っているし、今日の条件ではこれ以上上に行ってもスキーで滑る面白味など全く無いので、ここから下山することに決定。11時。
急斜面を踏み固めザックを下ろしてポットのお茶で一息入れる。スキーを外してシールをはがし、兼用靴を滑降モードに切替えて滑降の準備をする。滑降開始、11時15分。
雪はブレイカブルクラストの悪雪であったが、トラーブ・ピューマ・ドライブはこんな悪雪でも抜群の滑降性能だ。クラストの雪を蹴破りながら登りのトレースを外さないように滑降を続け、六合目の小屋前に到着。ここで行動食を食べ一服。
あとは幾分視界が良くなったのでゲレンデ目指して一気に滑降。ボーダーだらけのゲレンデの斜面をかっ飛ばし滑降終了。ホテルの前まで少し登り返しゴンドラで駐車場まで降りる。ゴンドラで降りる途中視界が良くなっていたので、誰もいない二合目、一合目ゲレンデを観察するとけっこう雪が付いていてスキーで降りれば良かったのに、と思ったが後の祭り。13時前には車の所に戻った。
今日の伊吹山は天候も雪質も悪く、正面ルンゼの豪快な滑降こそはできなかったが、今シーズン新調のワイドシールの威力と、トラーブ・ピューマ・ドライブの悪雪での抜群の滑降性能を実感できたのが何よりの収穫だった。
END
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