悪雪に悩まされた 御岳 山スキー


御岳ロープウエイスキー場から御岳剣ヶ峰(3063m)を往復するコースは、スキー場の機動力を使えば標高差900m少々の登りで3000m峰に日帰りで登ることができて、スキー場下部まで滑れば標高差1500mを滑ることができるという大変おいしいコースなので、飽きもせずに今まで何度も行っている。昨年も行ったが、その時は強風、ホワイトアウト、悪雪、の悪条件で登頂できず散々だったので、今年はそのリベンジだ、と勇んで出かけた。

■コース概要
□2001/04/14  御岳ロープウエイスキー場から御岳剣ヶ峰往復

ルート概要図はこちら.

■参加者
・oba (TRAB PUMA DRIVE + FRITSCHI DIAMIR + NORDICA TR9)
・TM (TUASKI EXCALIBUR + FRITSCHI DIAMIR + NORDICA TR9)

■行動時間
08:50 ゴンドラ終点出発      09:20 樹林帯を抜ける      10:20 石室小屋下
11:30 頂上稜線に出る      12:30 剣ヶ峰登頂      13:00 滑降開始      14:40 駐車場に戻る

4/14
朝から雲が広がっていて天気予報では下り坂模様。なんとか下山するまでは天気が持ってくれるだろうと、8時半のゴンドラ始発でスキー場最上部へ。ボーダー4人・テレマーカー2人の混在6人組が先行して出発。我々もシールを装着して出発。

樹林帯を適当に登り抜けると遙か前方に御岳頂上山群が見えてくる。まだこのころは時折日も差して視界は良好。しかし気温はかなり低めで雪面はかなり固い。早めにクトーを装着し、金剛堂を左に見ながら沢状斜面の右岸側をトラバース気味に登ると石室小屋下の台地に出る。ここで一息入れて石室小屋下の急斜面に取り付きシールでジグザグ登高を続ける。

このころには空は完全に曇り空になり、日も差さないので雪面はかなり固いが、先行のボーダー連中はソフトブーツにアイゼンも付けずに登っているようだ。案の定、石室小屋の上、覚明堂下の急斜面の途中で一人のボーダーが動けなくなり立ち往生している模様。

覚明堂下の急斜面を左手真横にトラバースし、左隣のルンゼ状急斜面に入り登り切ると頂上稜線に出る。このあたりではクトーの跡がかろうじて付くぐらいの完全なアイスバーン。先行のボーダー・テレマーカー組はどうやらここまでで下るようだ。風邪気味の体調不良で遅れているTM氏を待って私も30分ほど休憩。遅れて登ってきたTM氏と相談し、今日の雪ではこれ以上上部はスキーで登ってもほとんど意味がないので、スキーとザックをデポし頂上を目指すことにする。

アイゼンを装着しピッケルとカメラだけを持って頂上へと続く稜線尾根を登り剣ヶ峰登頂。ちょうど同じ頃王滝側から登ってきた5人組がいて頂上は賑わっている。ガスが湧いてきて時折視界が悪くなり風も強くなっているので、登頂写真だけ撮ってさっさと荷物のデポ地に戻る。

デポ地で大急ぎで滑降の準備をして滑降開始。ガリガリアイスバーンの稜線尾根を慎重に滑りルンゼ状急斜面の降り口に来たところでアッと言う間にガスに覆われて何も見えなくなる。しばらく待つとサッと視界が良くなったので急斜面に飛び込む。しかしガリガリアイスバーンに吹き溜まりのクラスト新雪が交互に現れるという斜面で、とても快適と言うにはほど遠い滑りだが、どうにかスキーを回して下降。

下部の素晴らしい大斜面が広がっているところは、ザクザク雪の表面がバリバリに凍った最悪のモナカ雪。雪が良ければ素晴らしい滑りが楽しめるところであるが今日の雪では滑るのも難行苦行だ。滑りで疲れて、腹も減ってきたので樹林帯に入る手前で大休止。上部を見上げると山頂付近はすっかりガスに覆われている。

休憩の後樹林帯に入ると意外に滑りやすいザラメ雪で、いつもは苦労する樹林帯が、今日は一番滑りやすい。樹林帯を抜け、後は腐りザラメのゲレンデをかっ飛ばして駐車場前で滑降終了。
(サムネイル画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)
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樹林帯を抜けると
御岳頂上山群が見えてくる
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前方に見える
御岳頂上山群
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石室小屋下の急斜面を登る
先行のボーダー・テレマーカー組
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頂上稜線に出る
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御岳剣ヶ峰登頂
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御岳の悪雪を滑る-1
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御岳の悪雪を滑る-2
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御岳の悪雪を滑る-3
昨年のリベンジをと勇んで出かけたがそう甘くはなかった。とにかく登頂はしたが滑りは全く面白くなかった今回の御岳であった。しかし、雪は千変万化、色々な雪に会えるのも山スキーの面白さのひとつだと、妙に納得した山行だった。

END