まるで春山の陽気の伊吹山

お正月早々あちこちで大雪になりどこの山もたっぷり雪があるので、とりあえず近場の伊吹山へ山スキートレーニングに行くことにした。関西からは近くでけっこう豪快な滑りも楽しめる山なので何度も登っているが、今回は3合目で160cmの積雪なので、雪の量は充分だが、このごろの気温の高さにはたして雪質はどうか?の不安半分混じりの出発となった。

■コース概要
2002/01/13
伊吹山スキー場3合目より伊吹山頂上往復

■参加者
TM (テュア・エクスキャリバー + フリッチ・ディアミールII + ノルディカ・TR12)
oba (トラーブ・ピューマドライブ + フリッチ・ディアミールII + ノルディカ・TR9)
(2名)
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1/13
■行動時間
08:30 スキー場3合目  10:25 正面ルンゼ上9合目  10:30 伊吹山頂上
11:10 滑降開始  11:30 6合目測候所小屋前で大休止  12:50 スキー場最下部


前夜からスキー場下の駐車場で仮眠し、8時のゴンドラで3合目ゲレンデへ。ここからもう1本リフトで上へ登ることができるが、距離も短く利用価値も低いので3合目から歩きだすことにする。準備をしてシールで歩きだす。天候は快晴、朝から気温が高く相当雪が緩みそうな気配。先行して登っている登山者、山スキーヤーの姿もかなり見られる。途中、熱くてたまらなくなり、ジャケットの下のフリースベストを脱ぐ。完全冬山の格好では熱くてたまらん。まるで3〜4月の春山の様相だ。

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3合目で、正面ルンゼを
バックに
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正面ルンゼを登り切り
9合目に到着

快調なペースで登り、8合目あたりで左へトラバース気味に正面ルンゼへの登りにさしかかる。ここで正面ルンゼ左手尾根の急斜面上から2人の山スキーヤーが見事なジャンプターンで落ちるように滑り降りるのを目撃。岐阜在住おじんドルフィンズのがおろさんたちだ。見事なシュプールに見とれているとアッという間に下へ滑っていった。

正面ルンゼに入りシールでジグザグ登高を続ける。正面ルンゼは最上部は傾斜40度程度になり、雪の状態によってはアイゼンが必要なときもあるが今日は快調にシールが効き、ルンゼ上の9合目までシールで登り切ることができた。

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頂上小屋の前で
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伊吹山頂上にて
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湿雪斜面の滑降

9合目から緩い斜面をダラダラと登るとすぐに伊吹山頂上。小屋の影で風をよけて行動食などを食べて少し休憩。気温が高くてあまり遅くなると雪質がやっかいになるので、さっさと降りることにして9合目からの正面ルンゼにジャンプターンで飛込む。今日は積雪が多いので40度の斜面も傾斜が幾分緩く感じる。上部はパックされた滑りやすい雪であったが、すぐにズブズブの湿雪になりスキー操作に苦労する。

湿雪斜面にあわててブレーキをかけて立ち止ったところで、「大場さんですか?」と声をかけられ、見ればがおろさんがもう下から登り返してきたのだった。少し立話をしてまたどこかでの再会を約し、その後滑降を続ける。斜面は至る所シュプールだらけで、滑ったあとの雪がロールケーキ状になって崩れ落ちてきて大荒れの斜面に難渋し、右手のノートラックの斜面に入る。雪質はほんとうに春のようなズブズブの湿雪だが、シュプールのないところの方がまだマシだった。

6合目の測候所小屋前で、あまりにお天気が良くまるで春山のような陽気なので、ここでのんびりとお湯を沸かして大休止とする。コンロを出し雪を溶かしてお湯を沸かしコーヒーを飲んでいると、がおろさん達おじんドルフィンズの2人があちこちの急斜面を登り返してはドロップインを繰返しているのが目撃され、その見事な滑りをゆっくりと楽しませていただいた。

あとはゲレンデに入り、スキー場最下部(1合目)まで、ボーダーだらけのゲレンデをかっ飛ばし、1合目から林道をスキーを履いたまま雪を拾い拾い降りて駐車場に戻った。

伊吹山は南向きの日当りのいい斜面のためなかなかいい雪にあたることが少ない。今日も雪の量は充分であったが、気温が高くまるで春のようなズブズブの湿雪斜面に、滑りに関してはもうひとつ不満であった。しかし山スキーシーズンはまだまだこれからだし、本格シーズンに備えてのトレーニング山行としては、関西からの近場で、簡単に登れてけっこう滑りが楽しめる伊吹山は貴重な山スキーの山であることを再認識した。

END