極上ザラメ雪の薙刀山

越美国境の薙刀山へ行ってきました。先月登った野伏ヶ岳の北隣の山で、今回初めて東面を滑ったのですが、素晴らしい広大斜面と極上のザラメ雪に出会えて、充実した山スキーが楽しめました。

【山域】 薙刀山(1647.2m)
【場所】 越美国境
【日時】 2002年 4月 6日(土)
【コース】 白山中居神社→和田山牧場跡→野伏ヶ岳と薙刀山との間の稜線→薙刀山→薙刀山東面→和田山牧場跡→白山中居神社
【メンバー】 TM、oba (2名)
【天気】 晴れ後曇り

ルート概要図はこちら


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4/6
■行動時間
06:30 白山中居神社  08:05 和田山牧場跡  10:25 稜線  11:20 薙刀山
12:10 薙刀山北東斜面を少し滑り、登り返して再び頂上  12:20 薙刀山東面滑降
12:50 東面1400m付近で大休止  13:30 東面1200m付近からトラバース
14:30 登り返して推高谷左俣を渡る  15:00 和田山牧場跡  16:05 白山中居神社


前夜発で2時少し前に白山中居神社駐車場に到着。福井ナンバーのプラドが駐車していたのでもしかしたらと思っていたが、朝になって見てみるとやはり福井のYAMADAさんチームであった。YAMADAさんチームは銚子ヶ峰・笠羽谷へ行く予定だったそうだが、林道通行止めのため予定変更。この後、日岸山・薙刀山・野伏ヶ岳を驚異的スピードで1日で駆け抜けて行った。唖然・・・・

いつもの通り長い林道歩きの後、和田山牧場跡に到着。牧場跡を横断し野伏ヶ岳北東尾根の裾を巻いて推高谷左俣に入る。上を見上げると、先行のYAMADAさんチームが既に稜線の雪屁の直下を右手に斜上しているのが見えた。次第に狭くなる谷をそのまま詰めて行ったが、だんだんと傾斜がきつくなりシール登高もかなり難儀。TM氏はたまらず右手尾根にルートを求めて登って行ったが、私は強引に谷を詰める。結果的には右手尾根の方が楽で早く稜線直下にたどり着けたようだ。

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薙刀山頂上に
たどり着く
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薙刀山頂上にて
別山の白い峰をバックに
稜線からは雪屁の下を頂上目指して斜上。途中、出発が朝早くあまりに腹が減ったので行動食を口に入れて一息入れる。なおも斜上を続け薙刀山登頂。朝は晴れていた空もこの頃には空一面雲がかかり風もかなり強くなっていた。

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北東斜面で遊ぶ
薙刀山北東斜面にYAMADAさんチームのものと思われるシュプールが下に続いていた。この斜面はYAMADAさんの昨年のレポートで素晴らしい広大斜面だということなので、われわれもちょっとここで遊ぶことにする。ザックをおいて、カメラとシールだけ持って空身で滑降開始。素晴らしい極上ザラメ雪に適度な傾斜の斜面をアッという間に高度差200m程滑り降りて再びシールで登り返す。

再び薙刀山頂上から今度はザックを背負い東面に向かう。東面はこれも広大な適度な傾斜の絶好斜面が続いている。素晴らしいザラメ雪に歓声を上げて滑降開始。高度差250m程を快適に滑り降りたところの疎林の中の平坦地で腹ごしらえ。

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薙刀山東面の滑降-1
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薙刀山東面の滑降-2
この後も滑降を続け推高谷右俣に入っていき、高度1200mを切った所で右手尾根のトラバースに入る。高度をなるべく下げないように斜滑降を続けると野伏の北東尾根が見えてきたがその前に推高谷左俣の深い谷が行く手を阻む。仕方なく推高谷左俣左岸側をしばらく登り返し、なんとか対岸に渡れそうなところを見つけて、スキーを外し薮をかき分け谷に降り対岸に渡ることができた。推高谷左俣の通過にかなり時間がかかってしまい、和田山牧場跡に戻ったのは15時頃になってしまった。この後は牧場跡を横断し林道を前半はスキーで、後半はスキーを担いで歩きで車の所に戻った。

今回初めて滑った薙刀山北東斜面、東面は、均一な傾斜の広大斜面が続く素晴らしい斜面だった。更に今日は、今シーズン最高の極上ザラメ雪で、どのような斜面でも自由自在に滑ることができるという最高の条件だった。誰も滑っていない薙刀山東面に我々だけのシュプールを刻みつけることができたのは最高の気分。ただ、最後の野伏北東尾根に戻るルート取りはちょっと失敗、かなり苦労してしまった。ここは、推高谷の右俣、左俣の間の尾根を早めに登り返し
た方が苦労なく左俣谷を渡ることができたようだ。

今年の雪解けはかなり早く、このあたりの山スキーも谷筋のルート以外はまもなく終わりを告げているような雪の量だった。しかし、このあたりの山はまだまだ未知の山スキールートがいくらでもあるような所だ。関西から比較的近くで、我々関西人にとってはほんとうに魅力的な山域だと改めて認識した今日の山行だった。

END