日照岳北方1746.1m無名峰

日照岳北方1746.1m無名峰は、岐阜ケルン山岳会のがおろさんがパウダーの穴場として紹介しています。先月の日照岳が結構良かったので、ここは来シーズンのいい雪の時期に行ってみようと思っていましたが、福井のYAMADAさんチームが先週(3/9)ここでパウダーウハウハであった、ということを聞き、これは今シーズンの内にぜひ行かなくては、と出かけることにしました。
【山 域】日照岳北方1746.1m無名峰
【場 所】岐阜県北部(白山東方)
【日 時】2003年 3月16日(日)
【コース】国道R156取付点→牧谷南尾根→頂上
     下山は1500m付近までは往路を戻り、登った尾根の南側の谷に入る
     →国道R156取付点
【参加者】伊能さん、clifさん、oba (3名)、(BAKUさんが1000m地点でリタイア)
【天 気】
晴れ後曇り

GPSによる行動軌跡(伊能さん提供)


3/16
■行動時間
07:05 国道R156取付点  09:15 1350m付近の痩せ尾根  10:00 尾根上1520m  11:00 頂上
11:50 滑降開始  13:30 国道R156取付点
(写真の一部は、伊能さん提供のものを使用させていただきました。)


尾根に取り付き出発
前夜、東海北陸道ひるがの高原SAで泊、朝現地に移動し、御母衣ダム横のスノーシェードを過ぎてすぐ右にあった除雪スペースに車を止め準備。天気予報では午前は晴れ、午後は急速に下り坂、ということなので、今日は早い時間で勝負をかけるべく早めに出発。

尾根に取り付きいきなりの急登。今回の山行に直前でドタ参のBAKUさんは、2週間前に肋骨を骨折していて、やはりストックでの踏ん張りが効かないのか苦しそうな登り。1時間ほど登った標高1000m付近でBAKUさんはやむなくリタイア宣言、一人先に戻ることにした。ここからは、沢雪山歩の無類のタフマン伊能さん、囲炉裏のスーパーマンclifさん、ヨレヨレロートルobaのデコボコトリオで行くことになる。

clifさんは今回が初山スキーであるが、さすが東北出身でスキー操作はお手の物、全く問題無しに急斜面にシールを効かせてグイグイ登っていた。今回の山は、初めて山スキーに行く者が登るような易しいコースではないと思われるが、スーパーマンclifさんには全く無関係なようだ。


痩せ尾根の難所に取り付く

難所を過ぎるとブナの尾根が広がる
かなり速いペースで尾根を忠実に登り続けると、1350m付近で極端に尾根が細くなり、しばらく痩せ尾根のいやらしいアップダウンが続く。ここが今回の登りの核心部か?伊能さんがトップでルートを開き、最後の45度はあると思われる雪壁ではやむなくスキーを外したが、なんとか難所を突破。


ブナの木の点在する気持ちのいい尾根

頂上までもうすぐ、あとひとがんばり
この痩せ尾根を過ぎると、上部はブナの木が点在する傾斜の緩い広々とした尾根が頂上まで続いていた。空は青空が広がり、気持ちのいい登りが疲れを忘れさせてくれる。タフマン伊能さんはどんどん先行していくが、ペースが速すぎて付いていけない。clifさんはシールが古くてシールにつく雪だんごに苦労していて少し遅れ気味。頂上には11時ちょうどに到着。伊能さんは10分前に着いていたそうだ。少し遅れてclifさんも到着。真っ白に輝く白山が我々を出迎えてくれた。


頂上では真っ白な白山がお出迎え

白山をバックに
頂上では風もなく、360度の大展望を楽しみゆっくりと休憩した後、幾分雲も出てきているようなので早めに下山の準備をして滑降開始。しばらくは、ほぼ登りのトレースに沿って、ブナの木の間を縫って緩斜面の気持ちのいい滑り。雪は若干重めではあるがそれほど悪くもなく所々にパウダーも残っていた。


上部尾根の気持ちのいい滑降

ブナの木の間を縫っての滑降
高度1500mを切ったあたりから、痩せ尾根の通過を嫌って、登った尾根の右側(南側)の谷に入る。谷の源頭付近はまぁまぁの雪で結構快適に滑ることができたが、途中から谷の両岸の急斜面がことごとく雪崩れていてそのデブリが谷底を埋め尽くすようになり、ほとんどスキーにならず大苦戦。デブリのブロックにスキーが突き刺さりもんどり打って転倒したりと、谷の中でのたうち回り悪戦苦闘。最後は堰堤がいくつか現れて横を通過、やっとのことでヘトヘトになって国道に停めた車の所に到着。BAKUさんが笑顔で迎えてくれた。


谷はデブリで埋め尽くされ全くスキーにならず
車の所に着く頃には空はすっかり雲に覆われていた。荘川道の駅にある温泉に入りに行こうと車を走らせている途中で、早くも雨がポツポツと降り出し天気の移りがかなり速くなっているようだった。この後温泉で汗を流し、いつもながらの渋滞にウンザリしながらも夜8時過ぎには帰阪する事ができた。

今回のコースは山スキーコースとしてはあまり一般的ではなくてかなりマニアックなコースと思われるが、いい雪に当たればなかなか面白いコースだ。今回の滑りでは、前半は楽しめたが後半が悪すぎた。来シーズンはいい雪の時期にぜひ再訪してみたいものだ。

clifさんは初めての山スキーで、登りはともかく、今日の条件の悪い滑りではかなり苦労されていたようだが、これに懲りませずまた山スキーにもおつきあい下さいませ。

END