快晴の猿ヶ馬場山

岐阜県飛騨白川村、合掌造り集落で有名な萩町、ここから登る猿ヶ馬場山は、行った人が皆口を揃えて素晴らしいと絶賛しているので、今シーズンはぜひ行きたかったのですが、この連休の最終日に急遽計画、行くことにしました。

【山 域】猿ヶ馬場山(1875m)
【場 所】岐阜県北部
【日 時】2003年 3月23日(日)
【コース】萩町白川八幡神社裏→帰雲山→猿ヶ馬場山頂上
         下山は往路を戻る。
【参加者】Taqさん、N君、oba (3名)
【天 気】快晴

3/23
■行動時間
06:40 白川八幡神社裏    08:15 宮谷林道    10:15 1528mピーク    11:50 猿ヶ馬場山頂上
12:30 滑降開始    14:45 白川八幡神社裏

(写真の一部は、Taqさん提供のものを使用させていただきました。)

前夜白川村萩町に着いたが、駐車場所が無くてウロウロ。やっとお寺の墓地横の空き地を見つけて朝まで仮眠。今日は長丁場なので早めの時間に行動開始。


朝早くまだ固い斜面を登る

朝日が差し込む樹林帯の登り
白川八幡神社裏の林道からすぐに雪が現れシール歩行となる。この連休にはかなり人が入っているようでスキーやツボ足の跡がいくつもあった。つづら折れに続く林道を適当にショートカットしながらしばらく登り、尾根左側の沢状斜面に取り付く。朝早くでガチガチの斜面にシールとクトーを効かし登っていると、上から大きな荷物を担いだ登山者の一団が降りてきて挨拶を交わす。この先に既に先行者が3名いる模様。

標高1000mを少し越えたあたりで山腹を巻くように通っている宮谷林道に出合い、しばらく林道をそのまま進みピークを二つ巻いたところで右手の沢状斜面を登ると緩やかな広い尾根の上に出る。傾斜の緩い広い尾根にスキーを進めるとあたりは見事なブナの森に変わってきた。


緩やかな尾根が続く
大きな岳樺がひときわ目立つ
ここまでは順調に高度を稼ぎ登ることができたがここから先が長かった。広い尾根上のいくつものピークを、なるべくアップダウンにはまらないように巻くように登り、帰雲山ピークの左手側をトラバース気味に巻いて次のコルに出ると、右手後方に真っ白に輝く白山、それに続く白山北方の山々の大屏風が姿を現した。素晴らしい景色にしばし見とれる。


もうすぐ頂上、あとひとがんばりだ

頂上にて、白山をバックに
しかしまだまだ先は長かった。緩い尾根をひたすらシールで登り続けてやっと右手前方に猿ヶ馬場山の頂上らしきピークが見えてきたがなかなか近づかない。先行者が一人スキーで降りてきた。傾斜の緩い斜面をひたすらダラダラと登り続けて、やっと私とN君が同時に猿ヶ馬場山登頂。少し遅れてTaqさんも到着。頂上では先行の2人組が休憩していた。


快適滑降(N君)
頂上付近は微風快晴。周りは360度の大絶景。右手は白山連峰の山々、左手は北アルプス剣・立山から穂高連峰、乗鞍、御岳へと続く。惜しむらくは北アルプスの山の頂上付近に少し雲がかかっていたが、しかしこんな贅沢な景観を見ることができるとは今日は本当にラッキーであった。

写真撮影、休憩の後いよいよ滑降開始。雪は強い日差しと高い気温のため少し重めのザラメに変わっていたが滑りにくい雪ではない。頂上付近の緩い斜面を過ぎてやがて続く適度な傾斜の針葉樹林の斜面を滑る滑る。立木をポールに見立ててのジャイアントスラロームの楽しい滑降が続く。帰雲山ではスキーを手に持ってピークまで登り滑りを楽しんだ。やがて北向き尾根の斜面に入ると日陰では雪はモナカ雪になっており、突如足を取られて大転倒。しかし次々に変化する雪もまた山スキーの楽しみだ。


快適滑降(oba)

快適滑降(Taqさん)
下部へ来ると樹林が濃くなりだんだんと薮っぽくなってきたがこれもまた楽し。ギルランデ、斜滑降、横滑りを多用し下降。やがて下の村の車の音などが聞こえてきて林道の取付き点に到着、本日の猿ヶ馬場山の素晴らしい山スキー山行もフィナーレとなった。この後、帰路の途中、平瀬温泉の共同浴場で汗を流し、いつもながらの東海北陸道の渋滞にウンザリしながら帰阪。


白山をバックに一服
猿ヶ馬場山は噂に違わず素晴らしい山スキーの山であった。しかし、標高差1400m弱、距離約9kmと日帰りコースとしてはかなりの健脚向きコースである。また大斜面でのダイナミックなスキー滑降というものは望めないが、素晴らしい樹林の中をスキーで逍遙しそれらの樹林を縫っての楽しいスキー滑降というものは、日本の山スキーの原点を省みたような思いであった。今日は本当にこれ以上望みようの無い好天に恵まれ、たっぷり山とスキーを楽しむことができた充実の1日であった。

END