荒島岳北尾根から橋架谷

越前の名峰荒島岳は勝原スキー場からのルートが一般に良く登られていますが、上部は痩せた急斜面が続きあまりスキー向きではないようなのでもうひとつ行く気になれないでいたところ、福井ブナの木山の会のYAMADAさんから、北尾根を登り橋架谷を滑り降りるというルートでの山スキー行のお誘いを受けて、これは面白そうだと行ってみることにしました。同行者は、今季から山スキーを始めたばかりながら、先日の御前岳前衛で結構な頑張りを見せた新進気鋭のPOちゃんでした。
山 域 荒島岳東稜1400m峰
場 所 福井県北部
日 時 2004年2月28日(土)
コース 仏御前の滝下→荒島岳北尾根→荒島岳東稜1400m峰→橋架谷→出発点
メンバー POちゃん、oba、福井ブナの木山の会チーム(12名)
天 気 晴れ

ルート概要図はこちら

(写真の一部は、秀一さん、ひろぽんさん提供のものを使用させていただきました。)

2/28
前夜、九頭竜道の駅で泊。朝、集合地の仏御前の滝下で福井チームの面々10名と合流。今日は総勢12名の大所帯だ。ここからシール登高開始。7時50分。

小さな沢を渡ると樹林帯の急登。これが結構きつく、一汗かいたところで頭上に送電線が通った尾根上に出る。はるか下に橋架谷の様子がよく見える。どうやらデブリが少し出ているようだ。ここからは緩やかな疎林の尾根の気持ちのいい登高。見事なブナの木が林立する本当にいい雰囲気の尾根だ。空は晴れ渡り、途中樹林の切れたところから背後に白山の真っ白な大屏風が望める。

気持ちのいい樹林の尾根を登る

1400m峰頂上直下、スキーを担いで登るPOちゃん

だんだんと高度を上げるに従って雪面が硬くなってきて、時折氷化しているところも出てくる。後続のPOちゃんがスリップして苦労していたので私のクトーを貸す。更に高度を上げて樹林帯が終わると目の前に1400m峰への無木立の最後の急斜面が現れた。傾斜はかなりきつくほとんどがアイスバーンとなっているので、ここでシール登高を諦めスキーをザックに付けて担ぐことにする。POちゃんも真似をしてスキーを担いで後に続く。兼用靴を雪面に蹴り込み慎重に一歩一歩登り続けると1400m峰に登り着いた。11時50分。

1400m峰から望む荒島岳本峰(一番右のピーク)

真っ白な白山を望む

1400m峰頂上からは360度の大絶景。ここから望む荒島岳の本峰は凄い迫力だ。南側に張り出した雪屁が凄い。振り返ると白山の勇姿、その右手には北アルプスの一部から乗鞍、御嶽も望むことができる。風もあまり無いようなので、ここで例によって雪のテーブルを設営してのランチタイム。早速持参のビールで乾杯。う〜ん今日は全然寒くなくビールがうまい。

雪のテーブルでランチタイム

橋架谷大滑降(oba)

大休止の後、いよいよ橋架谷の大滑降。斜滑降で谷の真ん中に入りフォールラインに滑り込むと、なんとそこはフカフカのパウダースノー。北向きの橋架谷は今日のような気温が高めの時でも雪が全く変成を受けていなく素晴らしい雪のままであった。皆が歓声を上げてそれぞれのパフォーマンスを展開。これぞ山スキーの醍醐味!

しかし、快適な滑りもあっという間。右俣谷との出合あたりからデブリが出始め、やがてデブリのブロックが谷全体を埋め尽くすようになる。仕方なく右岸側を斜滑降、横滑りで下降。滑るというよりズリズリとずり落ちるという感じ。これで太股、膝がガクガクになってしまう。

橋架谷大滑降(POちゃん)

デブリで埋め尽くされた谷を下降

やっとデブリが切れたところから少しだけ滑り、頭上に送電線が通っているところで右手の尾根にシールを付けて登り返す。尾根上からやや藪っぽい斜面を最後の滑降で出発点の仏御前の滝下に戻る。16時。

荒島岳東稜1400m峰から滑り込む橋架谷上部は、とても1400m程度の山とは思えないアルペン的景観と相まって豪快な滑降が楽しめる、素晴らしい山スキーコースでした。また荒島岳北尾根は、これまでほとんど知られていない所ですがこれも見事な樹林に包まれた素晴らしい尾根でした。YAMADAさん、素晴らしい山スキーコースを教えて頂きほんとうにありがとうございます。越前にはまだまだいい山スキーコースがいっぱいあるようですね。来シーズンにはこのあたりにもせいぜい通ってみたいですね。

POちゃんの荒島岳東稜1400m峰のレポはこちらです。

END