毎度おなじみ、蓮華温泉・雪倉岳

GW山行は、当初は猿倉から入山の白馬1週コースを予定していましたが、今季はどうも気候がおかしい、雪の降り方がちょっと変だ、大雪渓を登路にするのは控えた方がよかろう、ということで蓮華温泉2泊で白馬乗鞍岳北尾根(天狗の庭尾根)、雪倉岳北面、金山沢という白馬の3本の定番滑降コースを滑る計画に変更、ロートル組で行ってきました。
山 名 白馬乗鞍岳(2436.7m)、雪倉岳(2610.9m)
場 所 北アルプス、長野県北部、新潟県南西部
日 時 2006年5月3日(水)〜5月5日(金)
コース 5/3 栂池自然園→天狗原→白馬乗鞍岳→天狗の庭尾根→蓮華温泉(泊)
5/4 蓮華温泉→雪倉岳→雪倉岳北面→白高地沢→兵馬ノ平→蓮華温泉(泊)
5/5 蓮華温泉→白馬大池→船越ノ頭→金山沢→猿倉
メンバー 5/3 Mr.Takagi、チーム子泣き爺(Taq、oba)(3名)
5/4、5/5 チーム子泣き爺(Taq、oba)(2名)
天 気 5/3 快晴  、  5/4 快晴  、  5/5 快晴

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5/3  白馬乗鞍岳から蓮華温泉へ  

■行動時間
09:15 栂池自然園    10:22 天狗原    11:36 白馬乗鞍岳    12:40 白馬大池    14:00 蓮華温泉

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大雪渓にはすごいデブリが出ている
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雪倉岳もすごい雪の量だ
栂池スキー場ゴンドラ、ロープウエイを乗り継いで栂池自然園まではラクチンラクチン。ここから一登りで天狗原へ。白馬大雪渓を見ればすごいデブリが。他のあちこちの谷筋にもデブリがいくつか。やはりいつものGWとは違って雪はまだまだ不安定なようだ。

白馬乗鞍岳への斜面は人の行列。乗鞍頂上で大休止後スキーを担いで夏道を白馬大池へ。雪倉岳が大迫力。大池山荘は雪に埋まって姿無し。雪の多さは半端じゃない。

白馬大池から北へトラバース、2308mPの下あたりから天狗の庭尾根滑降開始。蓮華温泉を眼下に見下ろしながらの豪快な急斜面の滑降が続く。今季最高のフィルムクラストの雪に思わず歓声が上がる。快適滑降に大満足で蓮華温泉へ到着、早速ビールで乾杯。
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眼下に蓮華温泉を見下ろす
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天狗の庭尾根大滑降(Taqさん)
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天狗の庭尾根大滑降(Mr.Takagi)

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天狗の庭尾根に刻んだシュプール
ロッジ前でのんびりビールを飲んでいたら、大雪渓ルートから転戦してきたYAMADAさんチームも降りてきた。YAMADAさんチームは思わぬアクシデント発生とかで雪倉は中止、明日下山するとのこと。なんと残念なことに。

蓮華温泉はGWにしては空いているように思われた。快適なお風呂に豪華な食事ともう言うこと無し。

5/4  雪倉岳北面大滑降

■行動時間
05:40 蓮華温泉    06:30 滝ノ沢スノーブリッジ    10:55 雪倉岳頂上    13:15 瀬戸川の鉄橋
15:30 蓮華温泉

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滝ノ沢入口に本日一番乗り
今日も快晴。今回のメイン雪倉岳北面に向けて小屋の朝食を取らずに早朝出発。トラバースルートで滝ノ沢スノーブリッジへ。いつも雪倉北面や朝日岳方面へ向かう人で早朝立ちの人もけっこういるのだが、今日は何故か早朝立ちの人はほとんどいない。滝ノ沢スノーブリッジは、水流は完全に埋まっていてスノーブリッジと言うより広い雪の台地になっていた。

シールを装着、あとは頂上を目指してひたすら斜面を登るのみ。途中から風が強くなり時々耐風姿勢を余儀なくされる。
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雪倉頂上は果てしなく遠い
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雪倉岳頂上から見る白馬岳、旭岳、
柳又谷源頭の大カール
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雪倉岳北面大滑降(Taqさん)-1

どこまでも続く真っ白な世界、雪倉頂上は果てしなく遠い。頂上直下の大斜面では何人もの人が上から滑って降りてきた。白馬から縦走してきた人達か。しかしまだ早いこの時間に東面を滑って降りてしまうとはなんともったいない。雪倉北面へ向かう人はやはり少ない。

喘ぎ喘ぎの苦しいシール登高約4時間半で、蓮華温泉出発組では本日のトップで頂上着。風でモヤが飛ばされて山々の展望がきれいだ。風が強いのですぐさま滑降準備、進路はほぼ真北、北面を目指す。

雪倉岳北面は、今日滑ったと思われる何本かのシュプールはあったが、今は全く人の気配が無い2人だけの貸切大斜面だ。上部は風に吹かれてウインドクラスト気味だが、少し高度を下げると程よいザラメ雪。歓声を上げながら雪倉岳北面大滑降が続く。
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雪倉岳北面大滑降(Taqさん)-2
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雪倉岳北面に刻まれたシュプール-1
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雪倉岳北面に刻まれたシュプール-2

高度を下げて進路を北東方向に変え、下方に白高地沢が確認できる平坦地で小休止。緩斜面にスキーを漕ぎながら白高地沢右岸尾根に乗り、ヒョウタン池の横を通って瀬戸川に架かる鉄橋横に降りる。鉄橋の横にはまだ大きなスノーブリッジが残っていた。

ここから対岸のウンザリする急斜面を喘ぎ登り、兵馬ノ平をダラダラ登って、もういいかげんヘロヘロになる頃やっと蓮華温泉キャンプ場の建物の屋根が見えてきた。温泉ロッジに戻り、本日の雪倉岳北面大滑降の大成功を祝してビールで祝杯を挙げる。


5/5  金山沢を滑降し猿倉へ

■行動時間
06:40 蓮華温泉    10:05 白馬大池    11:20 船越ノ頭    12:47 金山沢出合    13:15 猿倉

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天狗の庭付近の急斜面の苦しい登高
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白馬大池付近から小蓮華山方面の
稜線を望む
今日は小屋で朝食を食べてゆっくり出発。蓮華温泉を出てすぐに尾根に取り付く。既に多くの先行者が天狗の庭尾根を登っているのが見える。

空は所々薄雲がかかっているが今日も快晴。しかし生暖かい風がかなり強い。小屋から全てシールで登り通し、いいペースで白馬大池着。ここで腹ごしらえ休憩。

休憩後小蓮華山方面の稜線を目指す。船越ノ頭のドロップポイントへ着いたら、既に大勢の人が滑り出す準備中だ。金山沢源頭の斜面を覗き込むと、滑っている人や下から登ってくる人やらで人影がいっぱい。斜面はシュプールだらけ。今や金山沢はすっかり人気山スキールートになってしまったなあ〜。

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金山沢の大斜面を滑る(Taqさん)
船越ノ頭横から金山沢源頭の大斜面にドロップイン。日に照らされて腐りザラメの重い雪であったがそれほど滑りにくくはない。大きな弧のターンを繰り返し高度を下げる。このあたりまで来ると疲れてかなり脚に来ているので、途中からはシュテム気味の省エネ滑りで降りることにする。

雪は多いがほとんど危険を感じるような所もなく、一カ所だけ斜面が崩れて土砂とデブリで覆われた所があっただけで、あっけなく出合到着。

金山沢出合から白馬岳本峰、大雪渓方面を見上げるとすごいデブリが斜面を覆っていた。初日に見たデブリが更に規模が大きくなっているようだった。

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下部では土砂とデブリが斜面を塞いでいた
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長走沢出合で金山沢の全貌が望める
あとは、猿倉までスキーを漕ぎながら林道を滑り、猿倉山荘前までスキーを履いたまま行くことができた。

今回のGW山行は、これ以上ない好天に恵まれ計画通りのコースを走破できました。今回と全く同じコースを6年前に訪れているのですが、何度来ても飽きない素晴らしいコースです。とりわけ雪倉岳北面は、地形が複雑なのと最後の蓮華温泉までの帰り道が長くて苦しいですが、その苦労を差し引いても余りある素晴らしい大斜面でした。

END